【解説】子の不登校、90日以上が57%
(解説 2016-11-01付)

 昨年度、全国の小・中学校で不登校の児童生徒が十二万六千九人にのぼり、このうち、年九十日以上欠席した子どもは七万二千三百二十四人で、五七・四%と過半数を占めることが、文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果から明らかになった。

 年度中に三十日以上欠席した不登校の子どもは、小学生が前年度に比べ一千七百十七人多い二万七千五百八十一人、中学生が一千三百九十五人多い九万八千四百二十八人、小中合計で三千百十二人増の十二万六千九人と三年連続増加。全児童生徒に占める不登校の子どもの割合は一・二六%と、現在の方法で調査を始めた平成三年度以降、最も高かった。

 今回、実態を詳細に把握するため、不登校の状況を欠席日数別に分類した。その結果、不登校の小・中学生の五七・四%に当たる七万二千三百二十四人が九十日以上欠席していた。一般的な登校日全体の半数を休んだことになり、深刻な状況が浮かび上がった。出席日数が十日以下の子どもは一万三千二百六十四人(一〇・五%)、一日も出席しなかった子どもは四千四百人(三・五%)だった。

 不登校の要因についてはこれまで学校が回答してきたが、今回は可能な限り本人や保護者に聞き取りした。小学校で最も多かったのは「不安傾向」で三三・七%、中学校は「無気力」で三〇・六%。

 一方、高校における不登校生徒数は、三千五百六十五人少ない四万九千五百九十一人。在籍者に占める割合は一・四九%で〇・一ポイント減少。九十日以上欠席している生徒は一万一千五百九十三人(二三・四%)、出席日数が十日以下の生徒は二千三百二十五人(四・七%)、一日も出席しなかった生徒は一千二人(二・〇%)だった。

(解説 2016-11-01付)

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