【解説】国語記述式は難易度別に―大学入試新テスト(解説 2016-11-09付)
大学入試センター試験に代わり、平成三十二年度から実施される予定の新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の国語の記述式問題について、文部科学省は、難易度の異なる二種類の問題を出題する案を明らかにした。四日、小樽市内で行われた国立大学協会の総会後の意見交換会で同省が説明した。
文科省は、現状では国立大学の個別試験でも記述式が約四割にとどまっているため、各大学の負担をより少なくし、幅広く利用できる「共通テスト」で記述式を出題することを検討している。
新テストでは、思考力や表現力を測るため、国語と数学で新たに記述式問題を導入する予定だが、実施時期や採点方法などが課題となっている。
文科省が示した案によると、国語の記述式については、センターが説明・論説文や新聞記事・社説、統計資料などを素材に問題を作成することとし、受験生の力がより深く測れる「パターン1」と、より多くの大学が利用できる「パターン2」を設定。大学が採用する方式を決める。
パターン1は、より深く能力を問う難易度の高い問題を、例えば一問当たり八十~百字などで出題。字数や指定された語句の使用など、形式面をセンターが確認し、各大学に画像データ化した答案と採点基準を提供する。採点や活用や各大学の判断で行う。
パターン2は、基盤的な能力を問う難易度が中程度の問題を出題。八十字以下で、四十字程度の二問などとする。センターが段階別評価までを行い、各大学に答案とあわせて提供。
実施時期はセンター試験と同様、一月十三日以降の最初の土日を候補に挙げる一方、前倒しの可能性も検討するとした。現行で八十分の試験時間の延長も考える。
(解説 2016-11-09付)
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