【解説】小中トイレ洋式は43%―文科省調査
(解説 2016-11-14付)

 全国の公立小中学校のトイレについて、ことし四月一日時点で洋式便器を設置している学校の割合は、四三・三%にとどまることが文部科学省の調査で分かった。予算不足がネックとなっているとみられる。北海道は五一・三%だった。

 小林製薬がことし、小学生と母親六百十八組を対象に実施したネット調査によると、「学校でうんちをしない」と答えた児童は三一%で、特に、男子は三九%と多かった。和式トイレの多い学校で我慢する傾向が強いことも分かった。

 調査は、多くの小・中学校が避難所となった四月の熊本地震を受け、学校のトイレの実情を把握するため、全国の公立小・中学校約三万校を対象に、初めて実施したもの。

 その結果、四月一日現在、校舎や体育館、屋外トイレなどに設置されたトイレの便器は計百三十九万七千十九個で、洋式はその四三・三%に当たる六十万五千三百二十二個(うち多目的トイレ等六万三百四十八個)だった。和式は七十九万一千六百九十七個で五六・七%。

 都道府県別に洋式化率をみると、神奈川県が五八・四%で最も高く、以下、沖縄県五四・七%、山梨県五四・四%の順。最も低いのは山口県の二六・七%で唯一、三割に届いていない。次いで、島根県が三〇・〇%、長崎県が三〇・三%で続いた。北海道は五一・三%だった。

 調査では、公立小・中学校を設置する計一千七百九十九自治体に、今後のトイレ整備に対する教育委員会の方針を聞き取った。その結果、八五・二%の一千五百三十三自治体が和式より洋式を多く設置すると回答した。このうち、「洋式を九〇%以上にする」は四二・五%の七百六十五自治体だった。このほか、「洋式、和式を概ね半々にする」も百九十三自治体あった。

(解説 2016-11-14付)

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