【解説】インフルエンザ、道内で流行の兆し

（解説 2016-11-15付）

　国立感染症研究所が全国約五千医療機関を対象としたインフルエンザの定点調査で、十月三十一日から十一月六日の期間中に報告があったインフルエンザの患者数は、一医療機関当たり〇・五九人と、昨年の同時期（〇・一一人）に比べ五倍以上の数値となっていることが分かった。道内は〇・九七人で、うち、根室、浦河など七保健所管内で流行開始の目安となる一・〇〇を超えた。

　今月六日までの一週間に報告された患者数は、前の週（〇・四七人）に比べて増加し、一医療機関当たり〇・五九人となった。第三十四週（八月二十二～二十八日）以降増加が続いている。患者報告数も二千九百三人と、五百七十四人増加した。

　都道府県別では、沖縄が十・八六人と、患者報告数十人以上の注意報レベルに達した。以下、福井二・四四人、栃木一・六六人、北海道〇・九七人の順。三十四都道府県で前週の報告数より増加がみられたが、十二府県では減少した。

　道内では前週の〇・五〇人からほぼ倍増の〇・九七人となった。患者報告数も二百五十七人と、前週より百四十四人増加した。根室、浦河、千歳、江別、札幌市、稚内、深川の七保健所管内で、流行開始の目安となる定点医当たり報告数一・〇〇を超えた。

　また、札幌市で今シーズン初めて、澄川中学校の二クラス、清田緑小学校の一クラスが学級閉鎖、南白石小学校の一年生が学年閉鎖となり、江別市でも大麻泉小学校の一年と六年で学級閉鎖の措置が取られた（南白石小を除きいずれも十三日までに終了）。

　インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染。厚生労働省は、予防対策として手洗いやマスクの着用に加え、咳や発熱等の症状が出た場合、早めに医療機関を受診するよう呼びかけている。

(解説 2016-11-15付)