全教職員の賃金改善要請 交渉結果を受け声明発表―道高教組・道教組
(関係団体 2016-11-22付)

 道高教組(國田昌男中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は十七日、道教委との賃金確定交渉結果を受け、「三年連続の月例給・一時金の引き上げにとどまらず、すべての教職員の命と生活を守るために労働条件と教育条件改善を求めるたたかいを強める」とする声明を発表した。「引き上げの回答を引き出した」ことを評価する一方、実質の賃上げ額や扶養手当等の課題を挙げ、「引き続き、すべての教職員の賃金改善に奮闘する」などと表明した。

 声明の内容はつぎのとおり。

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 道高教組・道教組は、賃金確定教育長交渉を行った。

 道人事委員会勧告の取扱いは、台風や大雨災害への対応を口実にした「凍結・値切り」が予想されたが、月例給・一時金ともに三年連続の引き上げの回答を引き出した。

 月例給は六百七十二円(〇・一七%)引き上げ、初任層は一千五百円程度、それ以外は再任用も含め四百円改善されることとなるが、現在、現給保障されている教職員はその金額内におさまるため、実質の賃上げはゼロとなる。民間との賃金の比較を現給保障金額で行ったのだから、すべての教職員の現給保障金額に上乗せすべきであり、また、この引き上げ幅では、「給与制度の総合的見直し」の激変緩和措置が終了する二〇一七年度末には、賃金が下がる教職員が出てくるため、我々は大幅な賃金改善を求めてきた。引き続き、すべての教職員の賃金改善に奮闘する。

 一時金は〇・二〇月引き上げられ、国並みの四・三〇月に、再任用職員もことしは〇・一〇月引き上げられ二・二五月となったが、改善分はすべて勤勉手当に配分した。教職員の協力共同をこわす「成果主義賃金」の拡大は断固として認められない。加えて、勧告どおり再任用職員の勤勉手当に上位区分をつくるとしたが、道教委がすべきは、賃金改善や寒冷地手当やへき地手当を支給し安心して働ける条件づくりである。強く抗議し、今後、交渉課題として協議していく。

 扶養手当の「見直し」では、勧告どおり配偶者手当を削減し、その原資を用いて子の扶養手当を引き上げ、配偶者がいない場合の特例(扶養親族のうち一人に一万一千円を支給)も廃止した。我々は、配偶者手当を削減せず、扶養手当を改善するよう求めてきた。同じ職場に扶養手当が上がる人と下がる人が混在することで職場の雰囲気を悪くするような手法を批判し、公務率先で配偶者手当の削減を行い、「一億総活躍」や「女性の活躍」を口実とした政府の労働力不足対策にくみすることは許されないと指摘してきた。少子化対策や労働力不足対策をうたうなら、長時間過密労働の解消と生活に不安なく暮らせる賃金の保障、待機児童の解消や育児・介護支援を充実させることこそ求められている。

 単身赴任手当では、昨年来求めていた支給要件の緩和が行われ、採用者にも来年度から適用される。また、すでに新採用で教職員となっていて単身赴任をしている場合についても検討することとなった。引き続き、実態に見合った支給要件となるよう求めていく。

 超勤解消では、我々が行った「全道職場実態・要求アンケート」で明らかになった「休日や持ち帰り残業も含め毎日三時間以上」の実態を示し、超勤解消を緊急かつ喫緊の課題として取り上げ、「対応可能な実効ある取組をできるだけ早期に実施できるよう検討する」という回答を引き出し、実効ある具体策とその大きな要因である部活動について、引き続き話し合っていくこととした。

 今後も、全道の教職員とともに教職員の命と生活を守るために、労働条件・教育条件の改善を求めるたたかいを強めるものである。

(関係団体 2016-11-22付)

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