道小・道中・道Ｐ連が緊急要望　教職員定数減に断固反対　道教委・杉本教育部長に手交

（関係団体 2016-11-28付）

財務省案に対し、３団体が危機感を表明。よりきめ細かな指導の実現へ、道教委の協力を求めた

　道小学校長会（松井光一会長）、道中学校長会（赤岩輝雄会長）、道PTA連合会（佐藤彰会長）は二十四日、道教委を訪れ、杉本昭則教育部長に「教職員定数の更なる充実を求める緊急要望書」を提出した。三団体は、「教職員定数の削減は、少人数指導や特別な教育的支援を必要とする児童生徒等への対応などで教育環境が悪化する」と危機感を表した上で、定数削減反対への道教委の協力を求めた。これに対し、杉本教育部長は「三者が一緒に要望していただくことは力強い。現場の意見として中央に声を届けることは極めて重要」と述べ、道教委としても協力していく考えを示した。

　財務省の諮問機関である財政制度等審議会が示した教職員定数の合理化計画に対して、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、日本PTA全国協議会と連動して提出するもの。

　要望書をみると、合理化計画を「学校の実情を十分把握せず、少子化や費用対効果に着目した教職員定数削減ありき」と断じた。教職員定数削減については、「少人数指導や特別な教育的支援を必要とする児童生徒等への対応などで教育環境が悪化する」と危機感を表した。

　また、「児童生徒数の減少に合わせて機械的に削減するのではなく、いじめや不登校への対応や専科指導の充実、障がいのある児童生徒や外国人児童への対応など、多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うために必要な教職員数を戦略的に充実・確保すべき」としている。

　さらに、「複雑化・多様化する学校現場におけるきめ細かな指導の充実を図るため、小学校二年生だけではなく、小学校三年生から中学校三年生まで三十五人学級を速やかかつ確実に実現すること。さらには、教職員の安定的・計画的な採用・配置を行いやすくするために、所要の措置を講じることを要望する」と結んでいる。

　この日、松井会長、赤岩会長、道P連の渡部敏雄事務局長が、知事、道議会議長、道内選出の国会議員にそれぞれ要望書を提出した。

　道教委を訪れた三氏は杉本教育部長に要望書を手渡し、今回の要請について説明。

　杉本教育部長は「教育関係者の身内だけではなく、知事や議会議長などにも要請することは重要。道教委としても大変心強い」と述べた。また、文部科学省が進めている教職員の定数改善計画にふれ、「着実な実施とともに、本道の広域分散型、小規模校といった特徴に目を向けた、独自の要望の声も上げていかなければ」とチーム北海道として協力を求めた。

　さらに、全道で進められているコミュニティ・スクールや、小中高一貫ふるさと教育などの取組についても言及し、「教育で地域が元気になる、子どもが元気になれば地域も元気になると、各自治体の首長たちの理解も進んでいる」と述べ、取組の促進とともに、行政と教育現場の協働の必要性を強調した。

　松井会長は「カウンセラーなどの配置も重要だが、やはり教員の数が大切。そこが本質ではないか」と話していた。

(関係団体 2016-11-28付)