成果と課題・改善の方向性 学力向上関連の取組―道教委(道・道教委 2016-11-29付)
道教委が『二十八年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』で示した本道の「成果と課題」「今後の改善の方向性」はつぎのとおり。
◆成果と課題
【成果】
▼授業改善・教員の指導力向上
▽全国の平均正答率との差が小・中学校ともに改善の傾向にある。
▽正答数の少ない児童生徒の改善が図られている。
▽授業で目標を示したり、学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れる学校が増えている。
▼学校の組織的な取組
▽全国学力・学習状況調査の結果を学校全体で共有し、教育活動の改善に生かす学校が増えている。
▼生活習慣や学習習慣の確立・子どもの学びの支援
▽国語、算数・数学の指導として、家庭学習の課題(宿題)を与える学校の割合が調査開始以降、増加傾向にある。
▽家で学校の宿題をする児童生徒の割合が調査開始以降、増加傾向にある。
▼地域と一体となった取組
▽学力向上のための取組について、保護者や地域の人たちに対して働きかけを行ったり、地域の人材を外部講師として招へいした授業を行ったりする学校の割合が、全国よりも高い状況にある。
【課題】
▼授業改善・教員の指導力向上
▽漢字や四則計算など基礎的・基本的な内容について、当該学年の指導に加えて、確実な定着を図るための取組が必要である。
▽「主体的・対話的で深い学びの視点による学習指導の改善の取組状況」など、学校が指導を行ったと考えていても、そのように受け取っていない児童生徒が一定割合存在する状況がみられる項目がある。
▽記述式の問題の正答率が低く、無回答率が高い傾向にある。
▼学校の組織的な取組
▽教職員の同僚性を高め、組織的な取組がより徹底するよう管理職がリーダーシップを一層発揮する必要がある。
▽近隣等の小(中)学校と教育目標を共有するなどの小中連携の取組が全国と比べて十分進んでいない状況にある。
▼生活習慣や学習習慣の確立・子どもの学びの支援
▽テレビ等の視聴時間や携帯電話の使用時間が長く、家庭学習の時間が短い状況が調査開始以降、継続している。
▽家庭での学習方法を具体例を示しながら「よく教えた」学校の割合が、継続的に成果を上げている他県よりも少ない状況にある。
▼地域と一体となった取組
▽地域の教育力を活用して子どもの学びを支える体制づくりを一層進める必要がある。
◆今後の改善の方向性
(成果と課題を踏まえ、市町村教育委員会、学校、家庭、地域が一層取り組む必要がある事項)
【市町村教委】
▽地域と学校との連携促進の中核的な役割を果たす。
▽小中連携、一貫教育の仕組みづくりを積極的に進める。
▽地域の教育力を活用した学習機会の充実に努める。
▽日常的に活用できるICTの整備など、分かりやすい授業づくりに向けた支援をする。
▽児童生徒が主体的に生活習慣や学習習慣の確立に取り組む場や機会を設定する。
【学校】
▽管理職が明確なビジョンを示し、教職員の共通理解を図る。
▽子ども一人ひとりに質の高い教育を提供するよう、学校全体で組織的に取り組む。
▽基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図るため、学習内容を繰り返し学んだり、日常の中で活用したりする取組を全校で進める。
▽自分の考えをまとめたり、相手に分かりやすく説明したりする活動をすべての教科等で充実させる。
▽日常の授業改善につながる校内研修に取り組む。
▽全国学力・学習状況調査等を活用した検証改善サイクルの確立に取り組む。
▽積極的な情報発信を通して、保護者や地域の方の学校への理解を深め、協働して教育活動に取り組む。
【家庭】
▽生活習慣や学習習慣の確立に向け、子どもと一緒に取り組む。
▽学校での出来事を聞き、励まし、褒めて自信をもたせる。
▽子どもと夢や目標について語り合う。
【地域】
▽学校以外での学びの機会をつくるなど、地域全体で子どもを育てる。
▽地域の行事等で知恵や経験を話したり、励ましの言葉をかけたりする。
※道教委では、
・教育関係者による意見交換の機会の設定
・課題解決に向けた指導主事や外部講師の派遣
・学力向上にかかる研修会の開催
・道内外の効果的な取組についての情報提供
―などを通して、市町村教委や学校、家庭、地域の取組を支援する。
(道・道教委 2016-11-29付)
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