北肢研が北翔養護で研究大会開く　地域での生活見据え指導　公開授業や分科会などで研鑚

（関係団体 2016-12-06付）

１４０人が参加

　道肢体不自由教育研究協議会（＝北肢研、宮崎真彰会長）は十一月二十四～二十五日の二日間、北翔養護学校で第五十三回研究大会北翔大会を開催した。研究主題「地域生活を指向した教育課程改善の視点と授業づくり～児童生徒がこれからの時代をよりよく生きるための教育内容に関する基礎的研究」のもと、全道の養護学校教諭など約百四十人が参加。公開授業や分科会、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官の分藤賢之氏による講演を通し、肢体不自由教育の充実に向けて研鑚を積んだ。

　開会式でははじめに、宮崎会長があいさつ。肢体不自由教育の現状として、課題設定や引継ぎが不十分な点を挙げ、「子どもたちのの細かな変化をとらえられる高い感度と、教員間の連携を含めた丁寧な対応が求められる」と訴えた。専門性向上セミナーや各校での実践交流の協議などで、教員の資質向上に努めていく考えを示しながら、「一人ひとりの子どもたちが地域でどのように生きるかを描いた授業計画を協議し、検証レベルが高まる大会にしたい」と述べた。

　会場校代表としてあいさつした北翔養護の佐藤昌弘校長は、本年度、小学部を新設し、再スタートを迎えたことや、会場校として円滑な運営に努めていくことを述べた。

　続いて、来賓として道教委の西村泉教育指導監、札幌市教委の和田悦明児童生徒担当部長が登壇。西村教育指導監は、障がいの重度重複化や、医療的ケアを必要とする児童生徒の増加などによって教育内容の多様化が進んでいることにふれ、「個々の障がいの状態に応じた指導・支援について、専門性に基づいた指導が一層充実するよう、研究教育の成果を日々の実践において発揮していただきたい」と呼びかけた。和田児童生徒担当部長は、札幌市教育振興基本計画など、市教委が進めている施策を挙げ、「肢体不自由教育にかかわる現状や課題を明確にしながら、教育課程の在り方や、授業づくりなどについての研究の深まりを期待する」と述べた。

　ポスター発表のあと、公開授業に移り、小学部、中学部、高等部で計二十七授業が行われた。

　引き続き、分科会を行い、「キャリア教育」「教育課程の改善」など、四つのテーマに分かれ研究協議した。

　二日目は、分藤氏が「これからの時代に求められる社会に開かれた教育課程と授業の在り方」と題して講演した。

(関係団体 2016-12-06付)