教職員定数で知事―4定道議会 財務省の削減案に懸念 地域特性踏まえ確保働きかけ(道議会 2016-12-08付)
高橋はるみ知事は、国の財政制度等審議会が取りまとめた「二十九年度予算の編成等に関する建議」において、教職員定数を今後十年間で約四万九千人削減できると試算したことに対し、「近年、学校が取り組む課題は増えていることなどから、財政的観点のみから教職員定数を削減することは、本道の教育活動に大きな影響を与えるおそれがある」との認識を示した。また、「道教委と連携しながら、本道の地域特性を踏まえた教職員定数の確保が図られるよう働きかけていく」ことを表明した。六日の四定道議会一般質問で、沖田清志議員(民進党・道民連合)の質問に答えた。
財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の財政制度分科会が十一月四日に開かれ、財務省が義務教育費国庫負担金制度に関する資料を提出した。
中では、教職員定数について、少子化が進展することを踏まえ、「基礎定数を義務標準法に従って算定し、また、学級当たりの加配定数の割合を維持して現在の教育環境を継続させた場合でも、今後十年間で定数は約四万九千四百人の減(対二十八年度比七・二%減)となる」と試算した。
これに対し、文部科学省は八日に見解を発表。財務省試算には、「発達障がいなどの児童生徒への通級指導、日本語能力に応じた指導が必要な児童生徒への特別な指導のニーズは高まりをみせており、現在は加配定数によって措置されている」ことを加味しておらず、「現在の教育環境を継続させた試算になっていない」などと反論した。
これらの事態に、教育関係団体も素早く反応。全国連合小学校長会(=全連小)が十日、全日本中学校長会(=全日中)と日本PTA全国協議会(=日P)が十六日にそれぞれ緊急要望書を関係国会議員などに提出し、教職員定数の充実を求めた。
本道においても、道小学校長会(=道小)、道中学校長会(=道中)、道PTA連合会(=道P連)が二十四日、道教委に緊急要望書を提出。「教職員定数の削減は、少人数指導や特別な教育的支援を必要とする児童生徒等への対応などで教育環境が悪化する」と危機感を表し、定数削減反対への道教委の協力を求めた。
これらの動きにもかかわらず、財政制度等審議会は十七日、「二十九年度予算の編成等に関する建議」を取りまとめて公表。ここでも、十年間で約四万九千人の教職員定数削減試算を盛り込んだ。
六日の四定道議会一般質問で、沖田議員は、財政制度等審議会の「建議」について、「少子化に伴う児童生徒の減少を理由に、今後十年間で四万九千人の削減が可能としており、一方で、発達障がいなどの障がいのある児童生徒が増加していることなどについては、聞く耳をもたない姿勢がみられる」と指摘し、知事の見解を求めた。
高橋知事は「人口減少や高齢化が進む中、本道の将来を担う子どもたちを育む教育の果たす役割は重要であると受け止めており、少子化の状況にあっても、特別な支援が必要な子どもやいじめ問題への対応強化など、近年、学校が取り組む課題は増えていることなどから、財政的観点のみから教職員定数を削減することは、本道の教育活動に大きな影響を与えるおそれがある」との認識を示した。
その上で、「これまでも、教職員定数の改善について、道独自の提案・要望に加え、知事会においても、国に対し、強く要請してきており、引き続き、道教委と連携しながら、本道の地域特性を踏まえた教職員定数の確保が図られるよう働きかけていく」と答弁した。
(道議会 2016-12-08付)
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