道学校図書館協会が研修講座開く AL実施上の役割考察 運営・読書指導など理解深化(関係団体 2017-01-19付)
帝京大・鎌田教授は、学校図書館を活用したAL型授業の在り方を提案した
道学校図書館協会(齋藤昇一会長)は九日から三日間、札幌市内のかでる2・7などで第四十九回道学校図書館研修講座を開いた。百七十人が参加し、アクティブ・ラーニング(=AL)を進める上での学校図書館の役割などについて考える共通講座をはじめ、二コース十二講座に分かれた選択講座、校種別選択講座などを受講。学校図書館の運営や読書指導などについて研鑚を積んだ。
同講座は、学校図書館の運営、情報・メディアを活用する学び方の指導、読書指導に関する基本的事項についての理解や、学校図書館の目指す方向と役割についての見識を深め、学校図書館の機能の向上を図ることが目的。百七十人が参加した。
初日、かでる2・7で行われた開講式では、齋藤会長があいさつ。「学校図書館にかかわる様々な施策や、新しい学習指導要領の姿がみえてきた。従前にも増して、学校図書館が学校教育の中で大変重要な役割を担っている。こうした追い風を受けて、学校教育の充実・発展のために力添えを今まで以上にできれば」と述べるとともに、研修の成果を本道の子どもたちのために生かすよう求めた。
続いて、参加者全員が受講する共通講座を実施。帝京大学教育学部教授の鎌田和宏氏が「アクティブ・ラーニングと学校図書館~学習指導要領改訂の動向を踏まえて」と題して講演した。
鎌田氏は、図書館活用教育で情報リテラシーを育て、豊かで質の高い学びを具現化している山形県鶴岡市立朝暘第一小学校の実践を紹介。「情報リテラシーとは、自らの願いの実現のために、調べ、読み取り、考え、表現する力と技。学校図書館はこの力と技を育てる中核をなす」と述べた。
学習指導要領改訂に向けた動向を解説するとともに、学校図書館担当者として、受け身の読書から能動的な読書へという読書活動の見直し、汎用的能力の育成、カリキュラム・マネジメント、ALへのアプローチに着目するべきと指摘した。
また、ALにおいて、「対話すべきトピックをもっていなければ対話的な学びが成立しない。対話したくなるような資料が学校図書館にはそろっている」「協働的な学びでは、問題意識を共有する仲間が必要。学校図書館が培ってきた調べ方や学び方のノウハウがそのためのツールとなる」などと、学校図書館が貢献できることを説明。学校図書館を活用して、授業をAL型に変えるために、読書活動と探究的活動を導入することを提案した。
研修講座では、このあと三日間にわたって、選択講座のファーストコースとして四講座、同じくステップアップコースとして八講座、小学校、中・高校、特別支援学校の校種別選択講座を実施。自由な雰囲気の中で交流するナイターや、指導者研修講座(全道研究部長会議)も行った。
(関係団体 2017-01-19付)
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