札幌で「教育の情報化セミナー」 すべての子にICT環境を 文科省・新津情報教育振興室長が講演
(関係団体 2017-02-01付)

教育の情報化セミナー
学習指導要領の改訂やプログラミング教育などについて理解を深めた

 全国横断「教育の情報化セミナー」が一月二十七日、札幌市内のユビキタス協創広場U―cala(ユーカラ)で開催された。教育のICT活用や機器などを紹介する「NEW EDUCATION EXPO」が二十七年に二十周年を迎え、その特別企画第六弾として実施。主催は、実行委員会(事務局・㈱内田洋行教育総合研究所内)。

 全道の教育委員会職員、教職員など八十人が参加し、学習指導要領の改訂やプログラミング教育などについて理解を深めた。

 基調講演では、文部科学省生涯学習政策局情報教育振興室長の新津勝二氏が「学習指導要領改定の動向を踏まえた教育の情報化」と題して講演。日本の教育の現状と課題、学習指導要領の改訂、教育の情報化に関する実態調査結果など、各種施策の最新動向について解説した。

 新津氏は、人工知能やビッグデータ、ロボット等の技術革新が進み、新たな産業革命への対応が求められている中、「学校の中だけ第二次産業革命のままでいいのか」と指摘し、「現在の職業の多くは今後なくなり、子どもたちの未来には新しい職業が生まれ、人工知能が人間のパートナーとなる」と産業構造や就業構造が大きく変化する可能性を訴えた。

 また、学習指導要領の改訂における必要な方策について、どのように社会を良くしていくかの観点から、自ら主体的に学び続け、試行錯誤し、新たな価値を生み出していくために必要な力を身に付けることが重要と解説。「これからの時代は子どもだけではなく、大人も新たな価値を見いだすために学び続けていく必要がある」と述べた。

 未来を見据えた教育改革として教育の情報化の重要性を訴えた新津氏は「すべての児童生徒にICT環境を提供し、興味・関心を高めるとともに、隠れた才能を呼び起こし、伸ばしてほしい」と呼びかけた。

 このほか、内田洋行の担当者が安心・安全な学校ネットワーク環境を構築する際の留意事項やICT活用事例、最新機器などを紹介。札幌市立大倉山小学校の嘉多山葉子教諭が同校の英語教育の具体的な取組・成果等について、総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」の実証校である江別市立野幌若葉小学校の設楽正敏校長がプログラミング講座の概要と成果や課題について報告した。

(関係団体 2017-02-01付)

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