道徳の教科化に向け研究 石教研の29年度運営基本構想案
(関係団体 2017-01-25付)

 石狩管内教育研究会(=石教研、甲斐丈治会長)は、二十九年度(第五十二次)石狩管内教育研究会運営に関する基本構想案をまとめた。教育研究推進に向けた基本姿勢や研究運営にかかる取組などを示したもの。課題部会研究の新たな取組としては、教育課程の実践的研究(道徳科)を盛り込んだ。 

 石教研は、専門部会研究、課題部会研究、学校課題研究の三つの研究体制によって、石狩管内小・中学校教職員の資質・能力向上を目指している。

 基本構想案に示されている課題研究部会の取組では、新たに、三十年度に小学校、三十一年度に中学校で検定教科書を導入した道徳科の全面実施に対応するため、教育課程の実践的研究を行うことを盛り込んだ。

 基本構想案の内容はつぎのとおり。

▼基本目標=主体的・創造的で人間性豊かな子どもを育てる教育の確立

▼基本姿勢=「〝協働〟研究で紡ぎ合う石狩の実践~夢に向かって挑戦する子どものために」

 石教研は、昭和四十一年に設立。半世紀にわたり「一人の百歩より百人の一歩」を合言葉に、会員個々が現場実践を基盤とした研究を重ねてきた。

 研究成果は、組織として共有することにより、広く管内に還流し、石狩の教育水準の向上に寄与してきた。

 この歴史と伝統を受け継ぎ、昨年度から「石狩の教育をリードする」という強い自負と自主性のもと、現場実践と“協働”研究を進め、新たな五十年への一歩を踏み出した。

 この経緯から、〝協働〟研究の意義を引き続き確認しつつ、会員一人ひとりが子どもや地域の実態に即した実践を持ち寄り、主体的に研究活動に取り組むことを重視する。

【基本方針】

▼教育に関する専門性の向上

▽教科および専門領域について研鑚し、専門性を生かした指導力の向上を図る

▽教育にかかわる課題について識見を深め、その解明を図る

▽学校課題研究の成果を普及・発展させ、管内各学校における教育研究の充実を図る

▽個々の課題意識を基盤とした研修活動を推進し、教職員としての資質向上に努める

▼日常実践を基盤とした自主的・共同的な研究の推進

▽学校や会員個々の課題の共通化を図り、共同研究として課題設定に取り組む

▽教科や専門領域、教育課題について、研究課題を意識した日常の実践研究に努める

▽研究協議会を開催し、日常実践の交流と課題解明にせまる研究協議を行う

▽研究成果を管内に広く還流するとともに、一般化に努め研究の着実な発展を図る

▼教育関係機関と連携し、より確かな研究体制を築く

▽管内教育関係機関と交流や連携の中から、研究の体制や内容などの改善・充実を図る

▽管内市町村研究組織と連携を深め、活動の充実を図る

▽各種教育関係機関と情報交流・発信に努める

▽共同研究への意識向上を図り意欲と連帯感を高めるため、啓発活動に努める

【石教研活動の〝三本柱〟】

▼専門部会研究(二年継続研究の二年次)

▽研究主題=「取り組むべき視点を明確にした日常実践のさらなる充実」

▽主体的な部会運営、所属感・連帯感に基づく研究推進

▽専門性を高める実践研究

▽課題の解明に向けた研究協議の充実

▽市町村部会と連携

▽教育課程の実践的研究

▼課題部会研究(二年継続研究の一年次)

▽研究主題=「多岐にわたる今日的な教育課題の解明」

▽主体的な部会運営、実践研究の推進

▽課題解明に向けた研究協議会の充実

▽地域・保護者と連携

▽成果と課題の整理、次年度計画の立案

▽教育課程の実践的研究(道徳科)

▼学校課題研究

▽研究主題=「主体的に学校課題を解明する校内研究の充実」

▽学校課題研究発表会の開催

▽管内小・中学校に研究成果の環流

▽三十一年度発表の学校課題研究校の選定

【連携と発信】

▼高め合う研究・研修体制の充実

▽関係機関と積極的な連携

▽教職員として資質を高める教育講演会の開催

▽転入者および新採用者に対する啓発活動

▽研究成果の環流(校内研修、石教研情報・〝石狩の教育〟の発行等)

▽ホームページの充実と活用

(関係団体 2017-01-25付)

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