道教育振興会・道退職校長会 協働し課題解決する力を 教育会議開き推進指標作成(関係団体 2017-02-02付)
教育関係機関・団体から130人が出席した
道教育振興会(紺野忠一郎会長)と道退職校長会(永峰貴会長)は一月二十七日、ホテルライフォート札幌で二十八年度北海道教育会議を開いた。「〝他者と協働して課題を解決する力〟の育成~自ら考え、判断し、行動するために」を主題に協議。「子どもが将来にわたって、自ら考え、判断し、行動できるように、家庭・学校・地域が連携して、〝他者と協働して課題を解決する力〟の育成を図る取組を進めよう」と呼びかける推進指標を取りまとめた。
両会は、昭和五十九年度から、北海道の教育の正常化を願い、教育に関する諸問題について協議する教育懇談会を開催。平成十四年度からは、教育関係機関・団体が一堂に会し、「教育にかかわる喫緊の課題を論議し、その成果を北海道教育の指針として共有する」ことを基本的な考え方とした北海道教育会議を開いている。
十五回目を数える本年度会議には、教育関係機関・団体から百三十人が出席した。
主催者を代表して道教育振興会の紺野会長があいさつ。「教育に携わる者には、次期学習指導要領の理解や実施に向けての取組はもとより、いじめ・不登校の防止、子どもの貧困、非正規教員の増加傾向など、これまで山積した教育課題にどう対応・対処し、解決していくのか、その真価が問われている。また、国民の誰もが、その行方や実践・成果に、強い関心や期待を寄せている」と述べた。
また、「子どもたちが多様で質の高い学びや行いができるよう、〝知恵〟と〝勇気〟と〝希望〟をもち、全組織を挙げて、ともに学び、行うことの意義やよさをあらためてとらえ直し、創意工夫して対応・対策を再構築し、実践化する必要があるのではないか」と問いかけた。
主題の趣旨説明のあと、札幌市立篠路西中学校の元校長で、拓北・あいの里連合町内会副会長の若山洋司氏が「地域活動を通して」と題し話題提供。学校の教員やPTA役員が地域とかかわる機会を多くして、地域とのパイプになるような人材をみつけることなどを呼びかけた。
協議に入り、学校関係者からは、「地域の人たちとつながることで、他者と協働して課題を解決する力を育成するため、まず、教員が地域とつながることが大事」などの意見が出た。
教育行政関係者からは、「学校、家庭、地域の強いつながりが大事。自己有用感の育成が他者と協働するベースとなる」「子どもの自己有用感を育てる上で有効なのが地域活動。学校と地域、家庭が一体となって、子どもに声をかけるなどして、自信を育てる積み重ねを行う。そのための仕組みづくりが求められている」などの提起があった。
PTA関係者からは、「単Pの取組として、保護者と子どもが一緒に地域に出て、花壇づくりや清掃活動などを行い、交流を広め、意識を高めた、責任感や自己肯定感が高まったなどの報告を受けている。さらに活動を推進していきたい」との声が出た。
このほか、コミュニティ・スクールの取組についての報告もあった。
これらの意見を踏まえ、推進指標を取りまとめた。
◆推進指標
子どもが将来にわたって、自ら考え、判断し、行動できるように、家庭・学校・地域が連携して、「他者と協働して課題を解決する力」の育成を図る取組を進めよう。
▼家庭では、子どもとのかかわりを大切にし、子どもが豊かなコミュニケーションができる機会をつくろう
▽子どもと一緒に行動できる機会を多くし、柔軟な思考力や協調性を育てよう
▽家族との語らいの時間を大切にし、規則正しい生活習慣を築こう
▼学校では、子どもたちとのかかわりを深くし、子どもたちが友達の考えを理解し、深く学び合う授業をつくろう
▽児童生徒理解に努め、授業改善を常に心がけよう
▽友達の考えに耳を傾け、新しい考えを練り上げる場を充実させよう
▼地域では、子どもたちとのかかわりを密にし、子どもたちが地域社会を意識して活動できる場をつくろう
▽学校・家庭が連携し、安全・安心できる地域環境づくりに努めよう
▽子どもも参画し、地域の特色や人材を生かした活動をつくり上げよう
(関係団体 2017-02-02付)
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