札幌市が２９年度当初予算案発表　権限移譲で職員費８割増　〝高校コンシェルジュ〟など盛る

（市町村 2017-02-03付）

　札幌市は二日、総額一兆六千五百三十二億一千九百万円となる二十九年度当初予算案を発表した。一般会計九千九百六十五億円のうち、県費負担教職員の権限移譲に伴い、職員費として前年度当初比八四・六％増の一千五百九十一億四千万円を計上。教育費は、一〇％減の三百九十六億五千四百四十七万一千円。市立札幌みなみの杜高等支援学校の整備終了などが減額の主な要因となっている。新規事業をみると、青少年科学館活用推進事業における理科授業プログラムの構築や科学館の活用に関する基本構想案の策定に三百二十万円を計上。小学生を対象とした「ウインタースポーツ塾事業」に一千六百万円を措置した。内容を拡充するレベルアップ事業では、高校と企業間の連携推進に向けて退職教員や企業関係者などを〝市立高校コンシェルジュ〟として配置する高校改革事業に三千万円を充てた。

　教育施設関連では、石山地区新設小学校新築など学校新築費に二億六千五百万円を計上。学校改築費四十一億一千二百万円は、本通小・中の島小・中央小・栄西小の校舎改築をはじめ、東白石小・羊丘小・発寒西小の実施設計などに充てる。

　教育センターの運営管理にかかわっては、四千七百万円を積み上げた。特別支援教育に関する相談件数の増加や内容の複雑化・多様化に対応するため、二十九年度は非常勤の教育相談員を二十八年度の十二人から十六人に増員する。

　新規事業では、「ウインタースポーツ塾事業」に一千六百万円を計上。ウインタースポーツにおける裾野の拡大等を目指すべく、小学生がスキージャンプやリュージュといった六競技を横断的に体験できるエントリーコースと、市内各少年団等の選抜者を対象にフィギュアスケート・クロスカントリー・スノーボードのトップアスリートが技術指導を行うエキスパートコースを開設する。

　レベルアップ事業では、広報活動や人材活用のコーディネートといった学校の教育活動を支援するコンシェルジュの配置を含めた高校改革事業に三千万円を充てた。教職員の負担を軽減し、地域や企業との連携を深めるために、二十九年度早期にも二人を配置する。

　このほか、小学校延べ百八十八校、中学校延べ六十九校、高校・特別支援学校で各一校の施設改修等整備費として六十五億七千三百万円を計上。併せて煙突六十本を改修する。

(市町村 2017-02-03付)