道議会決算特別委の質問・答弁概要(28年11月10日)(道議会 2017-02-14付)
道議会決算特別委員会(二十八年十一月十日開催)における佐々木恵美子委員(民進党・道民連合)、山崎泉委員(北海道結志会)の質問、および柴田達夫教育長、梶浦仁学校教育監、北村善春学校教育局長、岸小夜子学校教育局指導担当局長、河原範毅高校教育課長、鈴木淳義務教育課長、堀本厚健康・体育課長の答弁の概要はつぎのとおり。
◆高校受験について
佐々木委員 この春の高校入学者選抜において、札幌の定時制を受検した障がいのある生徒が、出願者が定員に満たないのにもかかわらず、不合格となるという事例が発生した。
二十八年四月から障害者差別解消法が施行された。この法律は、障がい者差別を禁止し、障がいの有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現を目的としている。この生徒が不合格となったことは、障がいを理由に不合格とした「障がい者差別」と言わざるを得ない。
第二回定例会において、教育長は入学者選抜の合理的配慮について、入学者選抜の目的に本質的な変更を及ぼさないことに留意して事前に関係者が十分協議の上、行っていると答弁したが、入学者選抜の目的は何なのか、あらためて伺いたい。
梶浦学校教育監 入学者選抜の目的について。高校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育および専門教育を施すことを目的としており、中学校における教育の成果をさらに発展拡充させて、国家および社会の有為な形成者として必要な資質を養うことを目標としている。
高校の入学者選抜は、国の通知において、各高校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を判定して行うものとされており、このことを踏まえ、道教委においては、選抜の具体的な方法等について、道立高校入学者選抜実施要項に定め、これまで、入学者選抜を実施してきている。
佐々木委員 この定時制の高校は、出願者が定員に満たなかった学校だが、当該生徒が不合格となった理由は何なのか伺う。
河原高校教育課長 不合格の理由について。個人情報に関することであり、お答えすることはできないが、定時制課程の入学者選抜においては、中学校における学習や生活状況を記載した個人調査書に加え、面接の結果をもとに、それぞれの学校が、志望動機や学習意欲、基礎知識、高校進学の目的や将来の進路希望のほか、面接の応答の的確さや問題解決能力など、学校が決めた観点について、総合的に評価し、最終的に校長が合否を判定しているものと承知している。
―指摘―
佐々木委員 個人情報に関することであって、答えることはできないというが、学校長は、入学選抜が終わったあと、家族にきちんと理由を話している。そのことを申し添えておきたい。
佐々木委員 「入学者選抜の合否については、総合的に評価し最終的に校長が判定している」と答弁したが、「総合的な判断」とは何なのか。また、障がいの種別によって、「総合的な判断」は異なるのか伺いたい。
河原高校教育課長 入学者選抜の「総合的な判断」について。各高校では、入学者選抜において、中学校における学習や生活状況を記載した個人調査書に加え、学力検査や面接等の結果を学校が定めた複数の観点について評価しており、障がいの有無にかかわらず、それぞれの学校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を判定している。
佐々木委員 選抜は、各学校の定める評価基準をもとに行われていると承知している。そうであるのならば、例えば、障がいのある受検者に対し、学校が障がいの状況に応じて評価基準を考慮しない場合、差別解消法等の関係法令に抵触していると考えてよろしいのか、道教委の認識を伺う。
北村学校教育局長 入学者選抜の合否の判定について。入学者選抜においては、各高校が障がいの有無にかかわらず、中学校の個人調査書に加え、学力検査や面接等の結果を用いてそれぞれの学校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等の判定を行っている。
障害者差別解消法は、すべての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげることを目的として制定され、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供が義務付けられているものと承知している。
道教委では、これまでも入学者選抜において、障がいのある生徒が受検する機会を広く確保する観点から、生徒や保護者と中学校、高校等の関係者が協議した上で、特別な配慮を実施してきており、今後とも、関係法令等の趣旨を踏まえた対応に努めていく考えである。
―指摘―
佐々木委員 入学者選抜においては、各学校がそれぞれ定める評価基準をもって、行われているという答弁があった。こういうことであると、道教委からみて、学校が定めている評価基準は、それぞれ学校ごとにまちまちなのか。道教委がもっている一定の評価基準と類似しているのではないか。そこはいかがか。違うところで、また聞かせていただく。
佐々木委員 今回の入学者選抜において、募集定員に満たない学校が、受検者に対して不合格の判定をする際に、当該高校は道教委に事前に相談しているのか。相談していたとするならば、この合否の判定は、道教委に責任があるのではないかと考えるが、道教委の考え方を伺いたい。
北村学校教育局長 合否の判定について。これまで道教委では、入学希望者が募集人員に満たない学校においては、特別な支障のない限り、全員を合格するよう指導してきているが、入学希望者が募集人員に満たない学校において、不合格と判定する場合には、その評価結果等を確認するため、高校教育課と相談するよう各高校に求めてきている。
ただし、合否の最終的な判断については、法令や入学者選抜実施要項に基づいて、中学校から提出された資料や学力検査、面接の結果等を総合的に判断して校長が行うこととなるものである。
佐々木委員 道教委は、道立高校に対して、出願者が募集定員に満たない場合は、特別な支障がない限り、全員を入学させるよう指導しているという答弁であったが、この「特別な支障」とは何なのか。
河原高校教育課長 特別な支障について。各高校における入学者選抜は、それぞれの学校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を判定して行うものであり、各学校で入学者選抜を実施した結果、その教育を受けるに足る能力・適性等が十分でないと判定した場合などが該当するものと認識している。
―再質問―
佐々木委員 学校長は、総合的な判断のもとで、コミュニケーション不足を不合格とした一つの理由としている。このコミュニケーション不足は、まさに障がいを理由とする、不合格の説明ではないかと思う。総合的な判断と特別な支障の整合性についてはいかがか。
河原高校教育課長 不合格理由の説明について。個別の案件については、答えることはできないが、コミュニケーション能力とは、一般的に、思考力・判断力・表現力・言語活用能力などを広く指すものであり、道教委としては、入学者選抜において、一つの観点のみによる評価や、受検者の障がいの有無によって合否を判定したものではなく、学校が定めた複数の観点によって総合的に判断したものと認識している。
佐々木委員 入学者選抜においては、障がいのある生徒が、全道のどの学校に受検しても、差別解消法の理念を踏まえて、合理的な配慮が行われるべきと考える。
本年度の入学者選抜において、受検者が一人なのにもかかわらず、公平性、公正性の確保を理由に、通訳的な介助者を入れなかったが、この合理的配慮を認めなかった理由は何なのか。
河原高校教育課長 合理的配慮について。道教委においては、これまでも入学者選抜実施要項に基づき、特別な配慮の必要性やその具体的な内容等について、生徒や保護者、中学校、高校、関係者等で事前に協議の上、入学者選抜の目的に本質的な変更を及ぼさないことなどに留意しながら、特別な配慮を行ってきた。
面接時における受検者の発言の趣旨を補足説明するための介助者を配置することなどについては、入学者選抜の目的である、それぞれの高校等の教育を受けるに足る能力・適性等の判定に的確性を欠く恐れがあると判断して、実施しなかった。
―再質問―
佐々木委員 ほかの都府県では、高校の入学者選抜において、障がいのない生徒との公平性を担保することを理由に、合理的な配慮として、通訳的な介助者を入れている。それが北海道ではできないと言っている。その理由は何なのか。
河原高校教育課長 介助者の同席について。面接時における受検者の発言の趣旨を補足説明するための介助者を配置することについては、入学者選抜の目的である、それぞれの高校等の教育を受けるに足る能力・適性等の判定に的確性を欠く恐れがあると判断し、実施しなかった。
道教委としては、障害者差別解消法の制定やそれに伴う国の動向、また、他県の状況を踏まえて、障がいのある生徒に対する入学者選抜における特別な配慮に、なお一層、努めていく。
佐々木委員 入学者選抜で特別な配慮を行うのに当たっては、特別な配慮の必要性やその具体的な内容等について、生徒や保護者等と事前に協議の上、入学者選抜の目的に本質的な変更を及ぼさないことなどに留意しながら配慮するとしているが、入学者選抜の目的に本質的な変更を及ぼす事柄とは、具体的にどういうことがあるのか。
河原高校教育課長 本質的な変更を及ぼす事例について。道教委においては、これまで、保護者などから要望のあった配慮について、入学者選抜の目的である、それぞれの高校等の教育を受けるに足る能力・適性等の判定に的確性を欠く恐れがあると判断し、行わなかった事例としては、例えば、面接日以前にあらかじめ質問用紙を渡し、それに記入して提出することや、面接時における受検者の発言の趣旨を補足説明するための介助者を配置することなどが該当した。それぞれについては、面接時における書面での回答を認めることや、質問をゆっくりと丁寧に行うなどの配慮に努めた。
―指摘―
佐々木委員 本質的な変更を及ぼさないことに留意しながら配慮をという状況の話だと思うが、他府県では、これを弾力的に運用している状況がある。にもかかわらず、北海道は、非常にそこにこだわっている。関係法令等の解釈について、非常に理解が足りないのではないかと思う。
佐々木委員 障害者差別解消法や障害者権利条約等が推奨している、この障害者を優遇する積極的優遇措置について、入学者選抜では、具体的にどのように行われるべきか、道教委の考えを伺いたい。
梶浦学校教育監 いわゆる積極的改善措置について。道教委としては、特別な配慮を必要とする障がいのある生徒が受検する場合には、学力検査や面接において、受検者がその力を十分に発揮できるよう、生徒や保護者の要望、障がい等の状況を踏まえた上で、特別な配慮に努める必要があると考えており、これまでも、解答時間の延長や問題用紙の拡大、監督者の指示や英語の聞き取りテストが聞き取りやすいような座席の配置などの配慮を行ってきている。
今後においても、障がいのある生徒が、安心して受検し、力を十分発揮できるよう、各高校において、個別の状況を踏まえ、十分な相談を行うとともに、よりきめ細かな配慮が行われるよう努めていく考えである。
佐々木委員 第二回定例会において、教育長は「障がいのある生徒が安心して受検できるよう、よりきめ細かな対応に努めていく」と答弁していた。具体的には、入学願書に具体的な配慮の希望を記載する欄を設けたり、実施要項に特別な配慮の具体的な事例を掲載したりすべきだと考えるが、いかがか。
河原高校教育課長 入学願書の様式などについて。道教委においては、特別な配慮について、受検者の意思表明の機会を設定し、中学校および高校における協議等を、より丁寧かつ円滑に進めるため、二十九年度入学者選抜から、入学願書に「入学者選抜における特別な配慮の希望の有無」の欄を設けた。
また、高校や中学校に配布する入学者選抜実施要項には、特別な配慮についての申出等について基本的な考え方を示すとともに、具体的な相談や協議などの進め方については、生徒や保護者への周知がより一層図られるよう、今回作成したリーフレットにまとめ、入学願書に添付し、生徒等に直接配布できるようにした。
佐々木委員 道教委が作成した特別な配慮に関する受検者および保護者向けのリーフレットには、学力検査等で実施した特別な配慮の例の中に、知的障がい者への対応が含まれていない。知的障がい者の記載が必要ではないか。例の中に、知的障がい者への対応が含まれていない理由を伺いたい。
河原高校教育課長 リーフレットの掲載事例について。特別な配慮については、多様かつ個別性が高く、個々のニーズも様々であり、それらのすべてを網羅して示すことが困難であることから、これまでの入学者選抜において、高校が実施した特別な配慮のうち、例年、協議の申し出が多く、対応を一般的に示すことができる事例を掲載した。
なお、知的障がいのある受検者に対しては、これまで、保護者からの要望を踏まえ、別室での受検や面接時にゆっくりと質問することなどの配慮を行ってきた。
―指摘―
佐々木委員 知的障がい者の要望の中に、介助者、通訳を付けてほしいとお願いしている。それが駄目なのはなぜなんだと聞いている。そこなのだ、問題は。親から、子どもの障がい特性への配慮を求めているものを、いとも簡単にはねつける。当事者の思いが全く受け止められていない。多様な個別性が高く、個々のニーズも様々であり、それらのすべてを網羅して示すことが困難というが、示せばいいではないか。しかも、学校長が、不合格にした理由を親に説明していることと、道教委の職員が言っていることが違う。そのことがおかしいと言っている。
佐々木委員 この四月に障害者差別解消法が制定されるなど、社会情勢が変化してきている。入学者選抜の在り方も変えるべきだと思うが、今後、道教委として、どのように考えるのか伺いたい。
柴田教育長 入学者選抜の改善に向けてであるが、これまで、道教委においては、高校教育に求められる多様な生徒の個性の伸長や特色ある教育の推進に資するよう、学習指導要領等の改訂や国の入学者選抜の考え方等を踏まえるとともに、高校や中学校の教員等を交えた「学力検査問題等研究協議会」を開催して、入学者選抜について意見を伺うなどして、改善に取り組んできた。
今後においては、障がいの有無によって分け隔てられることなく、共生する社会の実現に資することを目的とする障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、障がいのあるすべての生徒が、安心して受検し、力を十分発揮できるよう入学者選抜における特別な配慮の実施について、なお一層努めていきたいと考えている。
―指摘―
佐々木委員 これは、前向きな答弁として受け止めてよろしいね。要するに、障がいの有無によって分け隔てられることなく、すべての障がいのある生徒が安心して力を十分に発揮できるように、入試選抜において、特別な配慮の実施について、なお一層努めていくと、その教育長の決意として受け止めてよろしいね。頷きでいい。分かった。
―再質問―
佐々木委員 全道には、全日制、定時制を問わず、普通高校で学びたい、卒業したいと希望する障がいのある生徒が多くいる。普通高校に通いたい、特別な配慮を必要とする障がいのある生徒の高校進学について、どのように考えているのか。
柴田教育長 特別な配慮を必要とする障がいのある生徒の高校進学について。障がいのある生徒が充実した高校生活を送り、高校教育の目標を達成し卒業するためには、生徒の状態に応じて、学習面や生活面等における支援や配慮を行う必要があると認識している。
各学校においては、これまでも個々の生徒の障がいの状況等に応じたチームティーチングや個別指導などきめ細やかな学習支援や生徒理解を図るための定期的な教育相談や保護者との面談を実施するほか、必要な環境整備なども行ってきている。
道教委としては、本年度、障害者差別解消法が施行されたことも踏まえ、高校の目的・目標を達成する教育を行えるよう、障がいの特性に応じた教科指導の配慮や工夫を行うなど、高校の教員が障がいのある生徒への教育の視点にも留意した授業に努めることが一層重要になるものと考えている。今後においては、特別支援学校との連携や校内研修等を通して、全教員が障がいに対する理解を深めるとともに、支援を必要とする生徒に配慮できる体制づくりを進めるなど、高校における障がいのあるすべての生徒への教育の充実に努めていきたいと考えている。
―指摘―
佐々木委員 教育長の最後の答弁をしっかり信じていきたいと思っている。教育を受けるに足る能力・適性、障害者差別解消法が目的とする共生社会の実現、その中で、排除されたり、制限されたり、区別されたりということをしっかりと学校教育の中で是正していただきたい。さらに、知的障がい者等が障がいに基づく差別や不利益を受けることなく、障がいのない人とともに、公平で平等な機会を保障するための教育の環境を整えていただくことをお願い申し上げる。
◆献血の推進について
山崎委員 献血というと大手術、輸血というイメージがあるが、実際は、血液製剤として、ほとんどが普通の手術の中で使われている。
また、少子高齢化が進むことによって、日本赤十字社のシミュレーションによると、三十九年には約八十五万人の献血者不足になるという事態が予想されている。なおかつ、保存も利かないし、人工的につくれない。年齢的な制限もあるという状況の中で、高校のころから、献血の推進をしていかなければならないということを質問させていただいてきた。
二十七年第三回定例会の代表質問において、教育長に研修会を開催するという答弁をいただいたが、それからの一年間、どのように、道教委として取り組んできたのか伺う。
堀本健康・体育課長 献血に関する取組について。道教委においては、献血に関する学習の充実を図るため、昨年度から、知事部局および赤十字血液センターと連携し、高校や小・中学校の教職員を対象に、献血に関する理解を深めることなどを目的とした研修会を実施することとして、昨年度においては五管内で、本年度においては、現在までに、一管内で実施した。
また、献血が十六歳から可能となることを踏まえ、特に、高校生に対する指導の充実が図られるよう、高校を対象とした授業における具体的な学習計画や献血にかかわる学習についての事例を掲載した指導資料を作成し、情報提供するなどの取組を進めてきた。
山崎委員 研修会を実施したということで、道教委に対する評価が高い。研修会の参加者が、どのような意見や感想をもっていたのか伺いたい。
堀本健康・体育課長 研修会について。研修会の具体的な内容としては、道の保健担当部局から、献血の現状や道における取組、また、道教委から、保健体育などの教科等における献血や保健・医療制度の取扱いなどについて説明を行うとともに、赤十字血液センターから、日本赤十字社が行う保健活動についての説明や、献血セミナーや血液センターの見学受入などの献血にふれあう機会の紹介が行われた。
本研修会には、保健体育科教諭のほか、管理職や養護教諭等が参加しており、参加者からのアンケートにおいて、「献血については、現在使用している高校の教科書に記述があるが、あらためて献血の必要性が理解できたので、今後の授業に生かしていきたい」、また、「献血の必要性や重要性を再認識した。小・中学校では何ができるのか考えていきたい」などの感想等があった。
山崎委員 まさに、アンケートにあったとおりだと私も思う。研修会は、非常に有意義だったと思うし、今後も広く実施していかなければならないと考えるが、どのように考えているのか伺いたい。
堀本健康・体育課長 研修会の今後の予定について。本研修会は、全管内を三年間で実施することとしており、昨年度は、石狩、胆振、渡島、上川、釧路の五管内で実施し、本年度は、空知、桧山、オホーツク、十勝、根室の五管内で、また、来年度は、後志、日高、留萌、宗谷の四管内で実施することとしている。
山崎委員 最終的には、生徒、保護者を含めて幅広く理解し、献血を自らしていくことが重要と思う。教育の観点から言っても、非常に学んでほしいことではないかと考える。
十六歳からできることを考えれば、高校という期間においては重要なことではないかと思うし、研修会以上のことを一歩前に進めていかなければならないと考える。
今後の考え方、予定について伺いたい。
梶浦学校教育監 今後の取組について。少子高齢化が進む中、将来の献血を支える高校生等の若年層に対しまして、授業等を通じ、献血の意義や制度などについて理解を深めさせることが重要と考えている。
このため、道教委としては、知事部局や赤十字血液センターと連携し、献血にかかわる学習の充実に向けた研修会を実施するほか、献血セミナーや血液センターの見学など、献血にふれあう取組が円滑に行われるよう、学校や市町村教育委員会に対し、指導助言していく。
また、来年度においては、高校を対象にモデル校を指定し、日本赤十字社が作成した映像資料や国が作成した啓発資料などを効果的に活用した授業等を行い、その実践例を各学校等に情報提供するなどして、献血に関する指導の一層の充実に努めていく考えである。
◆内申点について
山崎委員 昨年の文教委員会で、一つ指摘させていただいた。三者面談をしたあとに、内申が変わることが想定される中で、生徒や保護者に対しての連絡がどうなっているのか。内申点が変わっても、自分が変わったと分からないで高校受検している人たちと、学校によっては教えてくれるところの、バラバラではないかと指摘させていただいた。道教委としても、きちんと統一した中でやっていきたいという答弁をいただいた。内容については、調査してみるということであったが、その調べた結果について伺いたい。
三者面談について、いつ、どのような内容で保護者、子どもたちに説明が行われているのか伺う。
鈴木義務教育課長 中学校における三者面談の状況等について。道教委では、二十八年一月に道内すべての中学校を対象に、進路指導等の実施状況について把握しており、進路の決定に向けて、第三学年の生徒とその保護者、学級担任の三者によって行う面談の実施時期は、十二月が五五・六%、十一月が四〇・五%で、多くの学校はこの二ヵ月に集中しており、そのほか、十一月から十二月に複数回実施していると回答した学校は、三・九%という状況である。
また、面談において、生徒やその保護者に対して説明している内容としては、各教科の評定について、すべての学校が説明しており、そのほか説明している内容については、例えば、特別活動の記録は四六・六%、第三学年の行動の記録は四二・八%、総合的な学習の時間の記録は二九・九%という状況である。
山崎委員 三者面談の中では、評定をすべてのところが教えている。そこで注視したいと思うことが、内申はもちろん評定、ランクも重要だが、例えば、部活動、課外活動、生徒会活動など含めて、いろいろなことをやっているといったことも重要なわけである。
親切な学校であれば、そういったものがあれば教えてと言われる。そうすれば、子どもたちの実績を書いてもらえる。ただ、中には、親がそういったことを書いてもらえると知らないこともあるから、公平の原則の中で、情報提供していかなければならないと考える。
同時に、その内申の最終的な伝え方も、バラバラであると指摘させていただいたが、その状況についても伺いたい。
鈴木義務教育課長 いわゆる内申点の生徒等への情報提供について。三者面談後、学年末の最終的な、いわゆる内申点をすべての生徒に伝えている学校は五四・一%、評定に変更のあった生徒すべてに伝えている学校は三八・四%、変更のあった生徒に必要に応じて伝えている学校は七・五%であり、また、保護者への情報提供については、すべての保護者に伝えている学校は四六・七%、変更のあった生徒の保護者すべてに伝えている学校は三六・六%、変更のあった生徒の保護者に必要に応じて伝えている学校は八・七%、伝えていない学校は八・〇%という状況である。
山崎委員 変更になった内申点を伝える方法が統一されていないという不公平感と、最終的な内申点を生徒、保護者にいつ伝えているのかということが非常に問題になってくるのではないか。と思うが、どうなっているのか伺う。
鈴木義務教育課長 最終的な評定の情報提供の時期について。生徒やその保護者に対して、出願する高校に入学願書を提出する前に情報提供している学校は五四・六%、入学願書の提出後、中学校から高校に個人調査書を提出する前に情報提供している学校は四五・四%であり、情報提供する時期に違いはあるものの、すべての学校で生徒やその保護者に情報提供されている。
山崎委員 すべての生徒に情報提供されているにしても、入学願書出願後、個人調査書を提出する前に情報提供している学校が四五・四%。入学願書を出してから知らされても、出願変更できなければ意味がない。五四・六%は、その前に知らされて出願変更できることを考えれば、不公平ではないかという気がする。きちんと公平にチャレンジできる環境を与えることは当然ではないか。前回質問したときに、そういった部分も含めて必要な情報を生徒や保護者に確実に伝える必要があると答弁をいただいている。これまでの取組について伺う。
岸学校教育局指導担当局長 進路指導に関する取組について。道教委では、いわゆる内申点と言われる中学校の学習成績など、生徒の進路の選択・決定の際に活用される情報については、学校と生徒、保護者の間で適切に共有される必要があると認識している。
そのため、道教委では、毎年十月に、すべての中学校の管理職と進路担当教員を対象にして十四管内で開催している道立高校入学者選抜に関する説明会において、昨年度から、入学願書を出願する時点の学習成績などについて、生徒や保護者に確実に伝え、安心して受検できるようにすることなどについて指導してきた。
山崎委員 学校間で統一して、子どもたちに公平に受検に挑んでほしいと思うが、今後の対応を含めて、道教委の見解を伺う。
柴田教育長 進路に関する三者面談、情報提供の今後の在り方であるが、中学校においては、入学時からの進路の選択、決定に至るまで、各学年の適切な時期に必要な進路情報を確実に伝えることが重要であると認識している。こうしたことから、道教委としては、今後、道中学校長会や道PTA連合会と連携して、入学者選抜に当たっての各学校の三者面談や情報提供等の在り方について改善方策を協議して、進路指導に関する配慮事項等を取りまとめ、市町村教育委員会を通じて各中学校に周知徹底を図り、進路指導が適切に行われるよう努めていきたい。
(道議会 2017-02-14付)
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