札幌開成高　５５年の歴史に幕　最後の卒業生３１５人送り出す

（学校 2017-03-02付）

明日への希望と母校の誇りを胸に、卒業証書を受け取る生徒

　札幌市立高校で一日、一斉に卒業式が執り行われた。このうち、今回の卒業式で五十五年の歴史に幕を下ろす札幌開成高校（石黒清裕校長）では、三百十五人が石黒校長から卒業証書を受け取った。

　同校は、昭和三十七年の開校以来、校訓「山アリ、空アリ、大地アリ、永遠を知れ」のもと、二万一千人を超える卒業生を送り出してきた。

　式辞に立った石黒校長は、人間社会における多様性の大切さを説いた上で、他者の考えを快く許容する「トレランス」という言葉を紹介。「トレランスの姿勢をもって他者を理解し、心開く態度を地球市民として続けてほしい」と呼びかけた。

　また、三年間の様々な場面で多様性やトレランスの考え方を経験してきたことを説明。「謙虚に学ぶ姿勢を忘れず、理想の社会を粘り強く目指すべく、一緒に頑張っていこう」と呼びかけるとともに、「立ちはだかる壁は未来を拓く扉」として、失敗や挫折を恐れず、三年間で学んだことを発揮するよう、エールを送った。

　関一樹ＰＴ会長は「生まれ育った北海道の未来に影響を及ぼすような存在になって」「世の中が変化しても変わってはいけないものは何かを考えてほしい」と卒業生の今後の活躍に期待を寄せた。

(学校 2017-03-02付)