全国高校英語スピーチコンテスト北海道ブロックから初の優勝　旭川藤女子高・牧野さん快挙　ＬＧＢＴテーマに熱弁

（学校 2017-03-08付）

大臣杯を手に笑顔をみせる牧野さん

　【旭川発】旭川藤女子高校（水野清哉校長）の牧野かのんさん（二年）が、二月中旬に東京都で開かれた第十回全国高校英語スピーチコンテスト第一部で全国優勝（文部科学大臣賞・大臣杯受賞）を成し遂げた。北海道ブロックの出場者が優勝を飾ったのは今回が初。性的少数者〝ＬＧＢＴ〟をテーマにスピーチした牧野さんは「優勝できてうれしい。これまでの経験を将来に生かしてきたい」と話している。

　全国英語教育研究団体連合会主催の同コンテストは、全国九ブロックの地区大会を経て勝ち残った十八人が英語でスピーチを披露するもので、二十年から開催。第九回から長期的に海外に滞在したことがある者とそうでない者を分けた二部構成となっている。

　英語部に所属する牧野さんは、ＬＧＢＴの苦悩と差別撤廃を歌いグラミー賞を受賞したマックルモア＆ライアン・ルイスの楽曲「Ｓａｍｅ　Ｌｏｖｅ」を聴いて以来、ＬＧＢＴに興味を

もつようになった。

　ニュージーランド短期留学でできたＬＧＢＴの友人や、授業で行ったＬＧＢＴについての討論で問題意識が高まったほか、学校で実施したアンケート調査、自主企画したイベントを通し、考えを深めていった。

　同コンテスト第一部で牧野さんは「Ｓｔｏｐ！　Ｉｎ　ｔｈｅ　Ｎａｍｅ　ｏｆ　Ｌｏｖｅ（ストップ！愛の名のもとで）」と題しスピーチ。「シンプルに誰にでも伝わるもの」を意識しながら、自身の活動の成果をもとに、ＬＧＢＴについて理解を深めることや、多様性を認め合うことの大切さについて熱弁をふるった。

　全国優勝となる文部科学大臣賞・大臣杯受賞に輝いたことについて、牧野さんは「伝えたいことが伝わり、優勝することができてうれしい。アンケートやワークショップなどを行い、スピーチの内容を深める努力をしてきて良かった」と感想を。今後は、ニュージーランドに二年間留学する予定で、「これまでの経験を生かし、将来は海外で人とかかわり助け合う仕事をしていきたい」と意気込んでいた。

　牧野さんを指導した同校英語科の小池静教諭は「本番で素晴らしい集中力を発揮して、北海道ブロックから初めての優勝者となったことはすごいこと」と称賛。「留学先でいろいろなことを経験し、本物の国際人になってほしい」と期待を寄せている。

(学校 2017-03-08付)