若年層中心に組織拡大へ総力 北教組が第120回中央委員会開催
(関係団体 2017-03-03付)

北教組第120回中央委員会
当面闘争推進ならびにスローガンを決定

 北教組は二月二十三日、札幌市内の道教育会館で第百二十回中央委員会を開催した。当面闘争推進・スローガンを決定したほか、子どもの人権と民主教育の確立を目指す特別決議を採択。「教え子を再び戦場に送らない」の誓いのもと、すべての子どもたちに〝ゆたかな教育〟を保障するため、「教育を語る全道250万人対話運動」を基盤とした道民運動を展開。組織拡大に向けて、「若年層を中心に、“加入促進総行動”に組織の総力を結集し、最重要課題として取り組む」ことをあらためて確認した。あいさつに立った信岡聡中央執行委員長は「教育への攻撃に歯止めをかけるためには、今こそ組合の存在と力が必要」と強調。「北教組運動に自信と確信をもち、組織拡大を図っていく運動を展開することが大切」と呼びかけた。

 開会に当たって、信岡委員長があいさつ。昨年の結成七十周年について、「戦前に軍国主義教育を行った反省から出発した、組織の原点に立ち返り、“教え子を再び戦場に送らない”との誓いを新たにした」と振り返りながら、「このスローガンのもと、一層団結し、反戦平和、民主主義を守る運動を進めなければならない」と呼びかけた。

 文部科学省が二月に公表した次期「学習指導要領改訂案」について、「財界の要請に基づくグローバル人材育成を掲げ、格差社会に順応させるための教育を押しつけ、点数学力による競争と国家道徳を一層徹底しようとするもの」と批判。「指導方法や評価まで詳細に介入して詰込み教育へ逆戻りさせ、“国家に従順な国民づくり”を企図している」などと述べ、「政治主導の政策である」ことを強調した。

 さらに、「学校教育は、今ある政治や社会状況と切り離して考えることはできない。教育への攻撃に歯止めをかけるためには、今こそ組合の存在と力が必要」と主張。「引き続き、若い仲間に組合の意義や役割を訴えるとともに、自らが主体的に北教組運動に自信と確信をもって組織拡大を図っていく運動を展開することが大切」と訴えた。

 議事に移り、木下真一書記長が一般経過報告および第二号議案「当面闘争推進ならびにスローガンに関する件」を一括提案。

 中で、平和を守り、教育を創る道民運動の取組として、「平和を守る」「子どもの貧困を解消し、すべての子どもにゆたかな教育を保障する」ことを重点課題に、民主的諸団体や地域住民・保護者と連携し、「教育を語る全道250万人対話運動」を基盤とした道民運動を展開した、と総括。

 全国学力・学習状況調査に関し、過度に競争主義的な環境をつくりだし、学校教育をゆがめるものとなっていることを地域・保護者に広く訴え、理解と協力を求める対話運動を強化した。

 また、「特別の教科 道徳」に対峙するために、問題点の学習を深め、人権教育の実践を強化するなど、「子どもの権利条約」が息づく学校の実現に向けた取組を一層進めることとした。

 一方、「一、〇〇〇人組織拡大運動」の取組については、今後、新採用者・過年度採用者の加入率が高い重要な時期を迎えることから、本部・支部・支会・分会や専門部との連携を強化し、若年層の組織拡大を中心に、「加入促進総行動」に組織の総力を結集し、最重要課題として取り組むことをあらためて確認した。

 さらに、「学校職員人事評価制度」について、道教委との交渉で「上位区分の人数枠を校長まで周知するなど、一定の回答を引き出し、すべての教職員の賃金改善の足がかりとさせることができた」とし、これを活用し、超勤解消、勤務・教育条件の改善に向け、取り組んでいくこととした。

 高校などに進学する生徒三百人を対象に、十万円を支給する給付型奨学金については、全道キャラバン行動と一体化した地教委・首長への要請などの取組によって、市町村や教育委員会・保護者の理解と協力が進み、全道各地から多くの賛同の声が寄せられ、応募総数は六百九十八件となり、さらに取組が拡大したことが報告された。

 また、第八号議案その他その一「機関会議開催および中央執行委員選出時期の変更」に関する件、その二「政令市における北教組運動のすすめ方」に関する件について審議。その一では、①定期大会は、二〇一七年から二年に一回の原則六月開催とする②五役・監査委員・中央執行委員の選出は、二〇一八年から三月を目途に開催する臨時大会で行う③中央委員会は、定期大会のある年は二月、臨時大会のある年は六月に開催する―ことなどを提案。六月開催予定の第百二十八回定期大会において、必要な規約等の改正を行うこととした。

 一方、政令市における北教組運動の進め方については、二〇一七年四月に「札幌市立学校に勤務する教職員の給与負担等」が道から札幌市へ移譲することが決定していることから、北教組本部・札幌市支部間で組織体制の在り方などについて協議。その結果、札幌市支部は、賃金・勤務条件、教育条件整備の運用、教職員定数などにかかわる課題について独自に取り組まなければならないが、「当面、札幌市教職員組合(札教組)として北教組に所属する」などの結論に至った。

 これを受け、その二では、①「政令市分会対策会議」等(仮称)の設置を検討②政令市枠監査委員を一名追加する―ことなどを提案。その一同様、六月開催予定の定期大会において、必要な規約等の改正を行うこととした。

 最後に、憲法改悪・「戦争法」・「共謀罪」を許さず、職場の管理統制強化をはね返し、子どもの人権・民主教育の確立と、第四十八回衆議院議員選挙の勝利を目指す特別決議を採択した。

(関係団体 2017-03-03付)

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