団結が改革のうねり生む 角野新会長あいさつ概要―道小理事研
(関係団体 2017-02-28付)

道小第5回理事研角野新会長
あいさつする角野新会長

 道小学校長会は二十四日、ホテルライフォート札幌で本年度最後となる第五回理事研修会を開催した。二十九年度役員について、会長に札幌市立幌南小学校の角野誠校長、事務局長に同篠路小学校の本間達志校長を選出した。

 角野新会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 この北海道小学校長会は、来年度、昭和三十二年の発足から六十年目を迎える伝統ある組織である。これまで、北海道の教育が幾多の困難に直面する中、「正論を以て正道を歩む」という理念の下、全道の会員一人ひとりが北海道教育の向上のために、真摯に取組を進めてきた。その伝統を汚さないように、皆さんと力を合わせながら努力を積み重ねていきたいと考えている。

 さて、各学校においては、二〇二〇年度から完全実施される次期学習指導要領の円滑な実施に向けて、社会に開かれた教育課程の推進、指導体制の整備、校内研修の充実等に取り組んでいるところかと思う。子どもたちには、変化の激しい時代を生きていくために、基礎的な知識・技能を身に付けるとともに、それらを活用した思考力・判断力・表現力、主体的に学ぶ豊かな人間性などが求められている。

 こうしたことを踏まえ、北海道小学校長会では、近年、本道教育の質の向上を目指す上で、時代の要請に応える「授業改善」が重要課題であると主張してきた。各学校においては、校長のリーダーシップの下、教師一人ひとりが授業研究を通して研鑚を積み重ね、授業力の向上に努めているところかと思う。

 その一方では、今日、学校が抱える課題は、複雑化・多様化しており、いじめ・不登校などの生徒指導上の問題への対応、貧困・児童虐待などの課題を抱えた家庭への対応、特別な教育的支援を必要とする児童への対応、保護者へのきめ細かな対応など、様々な課題が山積しいる。

 さらには、子どもと向き合う時間の確保や時間外勤務等の縮減、教職員定数の改善、服務規律の徹底なども喫緊の課題となっている。

 私たち校長は、こうした教育改革の推進や教育課題に立ち向かっていかなければならない。時代の変革期を迎えている今だからこそ、これまで以上に北海道小学校長会の存在意義が問われているとも言える。

 このような中、来年度、第六十回北海道小学校長会教育研究宗谷・稚内大会が開催される。全道校長の半数以上が集う研究の場において、教育の現状を語り合い、北海道教育の質の向上に向けて、我々自身が研鑚を積んでいかなければならない。本年度の小樽大会においては、分科会の運営や討議の内容について、全連小の大橋会長から高い評価をいただいている。私たちは、誇りと自信をもちながら、研究を深めていきたいものである。特に、分科会については、これまで、参観型から参加型、近年は参画型というように、工夫を重ねてきた。今後、さらなる改善を目指すことが、三十年度に函館で開催される全連小北海道大会の充実に結び付くものと考えている。

 本日出席の理事の皆さんは、それぞれ各地区のリーダーとしてその重責を担われてきたことと思う。地域による教育事情は様々かと思うが、各地区校長会が道小という組織を通して、今後も、大同団結していくことが大切であると考えている。それが全国連合小学校長会の活動の充実にもつながり、教育改革の大きなうねりになっていくと信じている。

 本年度の組織の在り方検討委員会では、各地区校長会の皆さんから、道小の活動に対して貴重な意見をいただくことができた。会員一人ひとりの方々にとっては、会費値上げ問題が、道小という組織を考える一つの契機になったのではないか。これからも、この道小という組織を活性化させるとともに、北海道中学校長会、北海道PTA連合会、北海道教育委員会、民間教育団体等の教育関係諸団体などとも連携を図りながら、「チーム北海道」として北海道教育の充実に努めてまいりたいと考えている。

          ◇          ◇          ◇

かくの・まこと

 昭和55年道教育大札幌分校卒。平成13年札幌市教委指導主事、19年札幌市教委教職員課人事担当係長、22年札幌市立美しが丘緑小教頭、23年道公立学校教頭会会長、24年美しが丘緑小校長、27年4月から札幌市立幌南小校長。

 昭和32年4月21日生まれ、59歳。宮城県塩釜市出身。

(関係団体 2017-02-28付)

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