道教育推進会議高校専門部会開く 新しい指針策定に向け審議 広域的検討委の設置を 
(道・道教委 2017-03-30付)

道教育推進会議高校専門部会
地域とつながる高校づくりの在り方など意見を交わした

 第三回道教育推進会議高校専門部会が二十一日、道立教育研究所附属情報処理教育センターで開かれた。「地域とつながる高校づくり」「活力と魅力ある高校づくり」について審議。委員からは、地域キャンパス校の再編基準について、人数だけで判断するのではなく小規模校存続の可能性を探るべきとの意見や、小規模校が隣接する町村間で高校の将来像を描く広域的検討委員会の設置を求める声などがあがった。特別支援教育への対応については、高校の空き教室を利用した分校の設置を積極的に推進すべき、特別支援教育支援員の配置の充実に努めてほしいなどの意見が出された。

道教委は、十八年八月策定の「新たな高校教育に関する指針」に代わる新しい指針を策定することとし、そのための視点として、①活力と魅力のある高校づくり②経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり③地域とつながる高校づくり―を「高校づくりの三つの視点」として示し、道教育推進会議に設置した高校専門部会で、三つの視点について審議を進めている。

 審議に先立ち、函館中部高校から阿寒高校に配信している英語の遠隔授業を参観。遠隔システムを利用して、リアルタイムで授業配信を行うとともに、質疑応答など同時双方向型の授業を行っている。当日は、函館中部高・弦木裕教諭の「コミュニケーション英語Ⅱ」の授業を、情センと阿寒高をつなぎ、配信側、受信側双方の様子を見学した。

 このあと、地域とつながる高校づくり、活力と魅力ある高校づくりについて審議。地域キャンパス校の教育の充実に向けた遠隔授業の在り方については、「遠隔授業と出前授業の組み合わせで、地域キャンパス校の教育課程の充実がより図られるので、一層の拡大を進めてもらいたい」「遠隔授業を担うセクションを設けて、複数校に遠隔授業を配信することができれば、キャンパス校でのハンデが軽減されるのでは」などの意見が挙がった。

 また、再編基準の人数要件については、「一律の人数要件を再編基準とせず、可能な限り小規模校を存続する方向性があってもよい」「小規模校が隣接している町村間において、高校の将来像を描く広域的検討委員会を設置するなど、道教委と双方向で意見交換する場が必要」などの声があった。

 特別支援教育への対応に関し、高校の空き教室を活用した特別支援学校の分校の設置については、「各家庭から通学し特別支援教育を受ける機会が増えるのはとてもよい。一方で、集団生活を通して社会性を身に付けさせる大事な機会で、寄宿舎による就学を希望する保護者もいる」「施設・設備の有効活用や特別支援教育のニーズの高まり、共生社会の基盤づくりなどの観点から、積極的に推進すべき」などの声が。

 また、通級指導など高校における特別支援教育の充実については、「生徒一人ひとりのニーズに応じた教育を適切に行うため、特別支援教育支援員の配置の充実に努めてほしい」「様々な配慮について、教員の理解が低い現状がある。今後は専門職員の派遣ではなく、配置による課題解決を期待したい」などの意見があった。

 次回、第四回専門部会は五月に開催する予定。

(道・道教委 2017-03-30付)

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