オホーツク局管内教育実践表彰 6団体、1個人に栄誉 網走市東小、斜里高などに(道・道教委 2017-03-30付)
網走市東小
【網走発】オホーツク教育局は、二十二日から二十八日にかけて、本年度のオホーツク管内教育実践表彰にかかる伝達表彰を行った。松本邦由局長と添田雅之次長が各受賞者・団体を訪問。表彰状を手渡し、今後のさらなる活躍に期待を寄せた。
今回の表彰では、一般表彰に五団体、特別表彰は一団体一個人が栄誉に輝いた。一般表彰は、網走市立東小学校(佐藤義寛校長)、斜里高校(中谷晋二校長)、NPO法人北見文化連盟(平野温美代表)、読み聞かせ会どろんこ(鏡栄子代表)、美幌陸上クラブスポーツ少年団(後藤秀人代表)が受賞。全国規模の文化発表やスポーツ大会などで優秀な成績を上げた団体・個人を表彰する特別表彰は、遠軽高校(渋川誠人校長)山岳部と興部町立興部小学校(清水明校長)二年生の中村結雫君が受賞した。
受賞団体および個人の功績はつぎのとおり。
◇
【一般表彰】
▼網走市立東小学校
長年にわたって豊郷神楽に取り組み、総合的な学習の時間が学校の教育課程に位置付けられるようになってからは、第六学年における「伝統を受け継ごう~ぼくたちの豊郷神楽」へと形を変えて引き継がれている。
舞を体験するだけでなく、校区の豊郷地区に百有余年前から伝わる伝統芸能「豊郷神楽」について、伝統を守ることに対する保存会の会員の願いや舞に込められた思いのほか、自分たちが暮らす地域の歴史や、人から人へ脈々と受け継がれる文化と絆について学習を続けている。
また、豊郷神楽保存会の会員の指導を受けながら練習を重ねてきた舞は、市内での行事や学校行事で発表されているほか、北海道文化集会や道外での発表実績もあり、地域の文化の継承と発展に寄与している。
また、市内の他の小学校の社会科「地域・伝統の学習」の授業において、総合的な学習の時間に学んだことを伝えるなど、地域に根ざした教育活動が高く評価されている。
▼斜里高校
長年にわたって地域の豊かな自然を教材とした特色ある教育活動を展開し、優れた実践を行っている。
特に、総合学科の特色を生かし、地域の豊かな自然を教材とした特色ある多くの教育活動を行い、地域理解を促し課題解決につなげる教育に取り組んでおり、二十三年にはユネスコスクールに加盟するなど、その教育活動および成果が高く評価されている。
また、二十七年度および二十八年度の国立教育政策研究所教育課程研究指定校事業を通して、地域をフィールドとしたESD活動(持続可能な開発のための教育活動)を検証し、取組のさらなる改善や充実・持続発展を図るとともに、ESDの理念を全教科・科目や特別活動、課外活動などへ広げ、学校の教育活動全体を通して、教育課程の充実・改善に努め、管内教育の充実・発展に大いに貢献している。
▼NPO法人北見文化連盟
半世紀にわたって継続した活動を実施しており、北見総合芸術祭の開催、北見文化賞・林白言文学賞の実施や「文芸北見」の発行を通して、北見市はもとより、オホーツク管内の文化向上に努めてきた。
特に、昭和四十二年から毎年開催している北見総合芸術祭では子どもから大人まで鑑賞ならびに発表の場を担い、文化振興に大きく寄与している。
近年では、子どもだけでなく親世代にも文化にふれる機会をもってもらうため、親子を対象にした講習会を開催するなど芸術文化活動の裾野を広げる活動に取り組み、高い評価を得ている。
また、文化振興だけではなく教育分野においても力を入れており、昭和四十七年には、北海道で初めてとなる「市民大学講座」を実施。以降、毎年実施しており、近隣の市町村からも参加があるなど管内の社会教育の発展においても大いに貢献している。
▼読み聞かせ会どろんこ
長年にわたって遠軽町生田原安国地区の「かぜる安国」を拠点に読み聞かせ活動を行っており、同地区に所在する特別支援学校(紋別養護学校ひまわり学園分校)を活動の対象とするなど特色ある取組を行っている。
定期的に発行している広報資料「どろんこ」などを通じて、活動の周知啓発に努めており、障がいのある人と健常者がともに地域を支えるノーマライゼーション社会の実現に向けて、管内教育の充実に大いに貢献している。
また、二十七年には、児童生徒への奉仕活動が高く評価され、札幌キワニスクラブ青少年教育賞を受賞するなど、活動に対し高い評価を得ている。
▼美幌陸上クラブスポーツ少年団
長年にわたって、地域の児童生徒の体力向上や競技力向上に取り組み、全道・全国大会に出場する優秀な選手を数多く育て、陸上競技はもとより、各種スポーツ活動の活性化を図っている。
特に、陸上競技において二十四年度に全国小学生陸上競技交流大会陸上男子百㍍走において準優勝に輝く児童や、二十七年度、二十八年度に同大会・同種目において二連覇を果たす児童など、トップ選手を輩出。陸上競技の技術向上に大いに貢献している。
また、近隣の少年団との合同合宿や陸上競技教室の開催など、スポーツの裾野を広げる取組や授業への指導者派遣など学校教育活動への協力・貢献についても高く評価されている。
【特別表彰】
▼興部町立興部小学校二年・中村結雫君
五歳からピアノを始め、国際大会において特に優秀な成績を収めており、二年連続でショパン国際ピアノコンクールinASIAに出場。二十七年度には小学一・二年生の部で金賞、本年度はコンチェルトⅠ部門で銀賞を受賞している。
全国大会においては、ピティナ・ピアノコンペティションに二年連続で出場し、入賞するなど、管内の芸術文化の発展に多大な貢献をしている。
▼遠軽高校山岳部
二十年度に畑野和宏教諭が山岳部顧問に就任して以来、登山の指導に並行して、スポーツクライミングの指導を開始。選手の能力を高め、全道大会においては常に上位の成績を収め、全国大会の常連校になり、全国高校選抜クライミング選手権大会の学校対抗部門では、四位入賞を三度にわたって達成している。
また、山岳部の取組として二十五年度からは小・中学生を対象に、ボランティアでクライミング教室を開催。三十人以上の受講生に対し、山岳部が一丸となって指導を実施している。近隣の小・中学生のみならず、旭川市など他管内からも指導を受けに来る小・中学生もおり、地域のスポーツ普及に貢献している。
この記事の他の写真
斜里高
北見文化連盟
読み聞かせ会どろんこ
美幌陸上クラブスポーツ少年団
興部町興部小2年生の中村君
遠軽高山岳部部長の黒澤君(左)と顧問の畑野教諭(右)
(道・道教委 2017-03-30付)
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