利尻富士町の29年度教育行政執行方針―石川教育長説明 小中連携教育の準備推進 特別支援学級に補助員配置
(市町村 2017-04-07付)

利尻富士町石川武弘
利尻富士町教委・石川武弘教育長

 【稚内発】利尻富士町教委の石川武弘教育長は三月上旬、第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を発表した。鴛泊小学校と利尻小学校にそれぞれ一人の特別支援学級補助員を配置し、一人ひとりの教育的ニーズに対応できるよう努めることを説明。また、現在建設中の鬼脇地区小中併置校について、小・中学校段階の教員が情報交換や交流を行うことを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す考えを表明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成を目指す教育の推進

 学力向上に向けた取組の在り方や、授業改善の在り方などについて、実際の授業や校内研修の状況をもとに、宗谷教育局の指導助言を参考として、校長会等と連携し、一人ひとりの学力向上や学習習慣の定着に向けた取組を進める。

▽特別支援教育の推進

 鴛泊小、利尻小にそれぞれ一人の特別支援学級補助員を配置し、一人ひとりの教育的ニーズに対応できるよう努めるとともに、普通学級児童生徒との相互理解の促進や、地域住民に対する特別支援教育の啓発に努める。

▼へき地複式教育の推進

 現在建設中の鬼脇地区小中併置校について、完成後は校舎一体の併置校であることから、小・中学校段階の教員が情報交換や交流を行うことを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育に取り組む、小中連携教育の準備を進めていく。

▼ふるさと教育の充実

 昨年に続き、町内小学校六年生を対象に、HACの協力による遊覧飛行を実施し、ふるさとに対する自信と誇りをもたせるとともに、郷土の課題や展望について進んで考え、自らが生まれ育ったふるさとに愛着をもち、周囲と調和を保ちながら誇り高く生きる態度を養っていく。

▽国際理解教育の充実

 利礼三町で活躍するALTの指導を仰ぎ、広い視野をもち、異文化を理解するとともに、これを尊重する態度や異なる文化を学び、ともに生活していく資質や能力の育成を図ることを体験的に学ぶ、サマー・イングリッシュキャンプ事業を実施する。

▼道徳教育の充実

 いじめをなくすため、日ごろから個に応じた分かりやすい授業を行うとともに、深い児童生徒理解に立ち、生徒指導の充実を図り、児童生徒が楽しく学びつつ、生き生きとした学校生活を送れるよう道徳教育の推進に努める。

▼読書活動の推進

 二十八年度末に、二十九年度からの五ヵ年計画として、「子ども読書プラン二次計画」を策定した。学校、家庭、地域の皆さんと行政が連携・協力しながら、子どもの読書活動の推進に、積極的に努める。

 学校図書の充実、公民館図書コーナー・役場図書コーナーにおける図書の充実とともに、ボランティアによる、読み聞かせ活動や読書感想文コンクールなどの継続的な取組を図る。

▼体験的な活動の充実

 利礼三町の次世代を担う児童の参加を促し、豊かな自然の中で、交歓・交流の体験的な活動を行う、「利礼三町児童交流事業」の開催地として、地域の自然を生かした活動を通して、地域に根ざした多様な体験活動を展開する。

▼体力・運動能力の向上

 たくましい心身を育むために、地域行事と連携したわんぱくマラソン・さわやか駅伝などへの積極的な参加を通して、基礎的な運動能力・体力向上の充実に努める。

▼食育の充実

 栄養教諭を中心とした食に関する指導の充実、早寝早起き朝ごはん運動の推進、また、学校における食育の生きた教材となる学校給食の充実に努める。

▼安全教育の推進

 登下校時や日常生活で起こる事故の発生原因と安全確保の方法について、学校の教育活動全体を通じて理解させるとともに、地域と連携して防災・防犯・交通安全、そして、近年懸念されているネット環境トラブル等を含めた生活安全教育の一層の充実を図る。

▼教職員の資質・能力の向上

 学校と地域住民・保護者がパートナーとして連携・協働し、力を合わせて学校の運営に取り組むコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の設置を図り、地域人材を積極的に活用した教育活動の充実により、教職員の意識改革や生徒指導などの課題解決への職員負担の軽減を図る。

 授業改善、道徳教育の充実、小学校における外国語教育の早期化・教科化、ICTの活用、特別な支援を必要とする児童生徒への対応など、新たな課題に対応できることを目的とした研修機会の確保に努める。

▼青少年の健全育成

 すべての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験活動を行う放課後子供教室の取組を推進するとともに、休日等に体系的な体験プログラムを提供する「土曜教育支援活動」を推進し、バドミントン教室、書道教室、水泳教室、かるた教室など、有意義な休日の過ごし方を支援することに努める。

 長期休業時に北海道教育大学旭川校や利尻高校生の協力を仰ぎ、夏休みチャレンジ教室、冬休みチャレンジ教室を継続して開催する。

▼文化・芸術活動の推進

 南浜獅子神楽の保存伝承を継続し、保存会の協力を得ながら町内小中学生による活動を推進する。

(市町村 2017-04-07付)

その他の記事( 市町村)

斜里町の29年度教育行政執行方針=村田教育長

斜里町村田良介  【網走発】斜里町教委の村田良介教育長は三月上旬、第一回定例町議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度から知床ウトロ学校にコミュニティ・スクールを導入。斜里らしい教育活動の実践...

(2017-04-10)  全て読む

札幌市教委の「なかよしキャンプ」 1校増やし6校で実施 入学控えた幼児と児童が交流

 札幌市教委は、本年度の幼保小連携自然体験活動「なかよしキャンプ」について前年度から一区一校増加の五区六校を実施校とした。翌年度小学校に入学する幼児と小学校四・五年生がともに自然体験活動を行...

(2017-04-10)  全て読む

札幌市中央図書館がイベント 仲間と謎解きに挑戦 中高生42人が参加

中央図書館中高生体験型イベント  札幌市中央図書館は三月下旬、同館で中高生向け体験型謎解きイベント「図書館からの脱出 ねらわれた貴重書」を開催した。市内の中学生や高校生四十二人が参加。ねらわれた貴重書を守るため、仲間と協力...

(2017-04-10)  全て読む

鷹栖町の29年度教育行政執行方針=宝田教育長

鷹栖教宝田庄十郎  【旭川発】鷹栖町教委の宝田庄十郎教育長は、九日開会の第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度も引き続き、鷹栖町土曜学習教室「がんばるど」を実施し、きめ細やかな学...

(2017-04-10)  全て読む

東川町の29年度教育行政執行方針―林教育長説明 領域「Globe」創設 小1・2年生で外国語活動など

東川町林万里  【旭川発】東川町教委の林万里教育長は、三月九日開会の第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度の基本方針を「教育を地域づくりの根幹と捉え、地域全体で子どもたちを育...

(2017-04-10)  全て読む

湧別町の29年度教育行政執行方針―竹部教育長説明 学力向上へ授業支援強化 開盛小・富美小にCS導入

湧別町竹部行義  【網走発】湧別町教委の竹部行義委員長は、三月上旬に開会した第一回定例町議会で、二十九年度教育行政執行方針を説明した。学力向上策として、小学校における非常勤講師の配置を増員し、授業支援を強化...

(2017-04-07)  全て読む

遠別町の29年度教育行政執行方針―富士原教育長説明 プログラミング教育を先行実施 地域と密着した学校づくりも

遠別町富士原栄治  【留萌発】遠別町教委の富士原栄治教育長は三月上旬、第一回町議会定例会で教育行政執行方針を説明した。学習指導要領改訂案で必須化が検討されているプログラミング教育について、「支援教材を導入し、...

(2017-04-07)  全て読む

札幌市教委が全国学力・学習状況調査で説明会 学ぶ力育成へ取組充実を 「学び」のススメの活用例紹介

 札幌市教委は四日、WEST19で二十九年度全国学力・学習状況調査にかかる説明会を開催した。小・中学校全校の管理職が参加。学ぶ力の育成に向けて、さっぽろっ子「学び」のススメの活用例や課題探究...

(2017-04-07)  全て読む

オリンピック等教育推進事業 研究推進校を60校に拡充 ミュージアム活用し学習も―札幌市教委

 札幌市教委は、二十九年度のオリンピック・パラリンピック教育推進事業について研究推進校を六十校に拡充する。五輪教育の学習モデル形成に向け、研究を進めるもの。札幌市スポーツ局と連携し、新たに三...

(2017-04-07)  全て読む

中川町の29年度教育行政執行方針―山内教育長 学習・生活規律を徹底 放課後子供教室の充実図る

中川町山内茂  【旭川発】中川町教委の山内茂教育長は、三月上旬開会の町議会第一回定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。学習規律や生活規律を徹底するほか、少人数・習熟度別指導などを通じて、確かな学力...

(2017-04-07)  全て読む