東川町の29年度教育行政執行方針―林教育長説明 領域「Globe」創設 小1・2年生で外国語活動など
(市町村 2017-04-10付)

東川町林万里
東川町教委・林万里教育長

 【旭川発】東川町教委の林万里教育長は、三月九日開会の第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度の基本方針を「教育を地域づくりの根幹と捉え、地域全体で子どもたちを育む、地方創生に貢献できる教育の実現」と設定した。その重点施策として、「ふるさと教育」「学力向上対策」「国際教育」(研究開発学校)の三点を推進。中でも、国際教育の推進については、町が文科省から研究開発学校の委託を受け、二十九年度から四ヵ年計画で実施。領域「Globe」を創設し、小学校一・二年生の外国語活動や小学校三年生から六年生の英語科のカリキュラム編成を行うなど、国際社会に貢献できる人材の育成を図る研究に取り組むことを表明した。

 執行方針はつぎのとおり。

【基本方針】=教育を地域づくりの根幹と捉え、地域全体で子どもたちを育む、地方創生に貢献できる教育の実現

▼重点Ⅰ=ふるさと教育の推進

 郷土の自然、歴史、文化、伝統行事などに、ふれあう機会を充実させ、ふるさとの良さの発見や愛着心の醸成など、ふるさと東川に誇りをもち、心豊かでたくましい人材の育成に努める。

▼重点Ⅱ=学力向上対策の推進

 子どもたちに基礎学力が定着するよう、学校・家庭・地域の連携を強化する。そのための施策として、教職員一人ひとりが日々の授業改善に努めることや子どもの実態に応じて「習熟度別指導」「少人数指導」を行う。

▼重点Ⅲ=国際教育(研究開発学校)の推進

 本町の特色を生かした国際教育を推進するとともに、三十二年から全面実施(中学校は三十三年、高校は三十四年)の新学習指導要領や次期学習指導要領改訂の参考となる「新しい教育課程・指導方法」の研究開発を進めていく。

 具体的には、「国際社会に通用するコミュニケーション能力」の向上を図る領域「グローブ“Globe”を創設。幼小中高を通じた国際教育における初等中等教育の一体的な教育課程の在り方を研究する。

【主要施策】

▼町長との連携強化

 定期的に開催される町総合教育会議の中で、様々な教育課題や教育環境の整備等について積極的に意見交換を行い、町長と教育委員会の連携強化を図る。

▼就学前教育(乳幼児保育・幼児教育)の推進

 様々な交流活動や社会体験活動を通して「プレスクール」のより一層の充実を図るとともに、言語活動の基礎となる絵本読み聞かせを家庭や地域との連携により推進する。

▼学校教育の推進

▽新学習指導要領実施に向けての準備 

 新学習指導要領の趣旨や内容、その推進・充実を図る校内外の研修体制を確立し、小学校において三十年度からの先行実施を検討していく。

▽コミュニティ・スクール等の拡充

 本年度は、東川第一小学校・東川第二小学校・東川第三小学校での導入を検討するとともに、地域学校協働本部が中心となり、「チーム学校」「地域とともにある学校づくり」などの体制の充実を図っていく。

▽教職員の資質・能力の向上

 小学校の外国語やプログラミング教育、小・中学校の道徳など、時代の要請に応じた授業が求められている。その上で、研修会への参加や先進地視察などを実施し、教職員の資質・能力の向上に努めるとともに、信頼される教職員を育成する。

▽個に応じた「きめ細やかな授業」の推進

 学習支援員・教育補助員・特別支援教育支援員等を配置し、児童生徒の学習内容の確実な定着と自ら学び考える力を育成する。

 その取組として、①習熟度別および少人数指導の実施(小・中学校)②学習が遅れがちの児童生徒に対し、「ゆめスクール」「地域未来塾」との連携・実施③外国人子弟に対する学習支援の実施(小・中学校)④三十人学級による少人数指導の実施(中学校)―の四点を実施する。

▽読書活動の推進

 各小・中学校においては、朝読書や読み聞かせ事業の充実、教科学習での学校図書館の活用を図る。そのため、学校図書館の蔵書の充実を図るとともに、司書教諭や図書館司書等が中心となり、本好きな子を育てる「読書通帳」の取組や、「ブックトーク」事業を積極的に進める。

▽食育の推進

 東川小学校の体験農園や果樹園等で子どもたちが自ら収穫したお米や野菜などを幼児センターや小・中学校の給食等の食材として活用する。食材の購入と弁当づくり、さらに後片付けまでを各家庭で子どもたち自身が行う「弁当の日」の充実を図るとともに、世界の料理を学校給食に提供する「給食で世界を旅しよう!」を二十九年度から本格実施する。

▼学社連携の推進

 町学社連携推進協議会が母体となって、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部が車の両輪となって、地域全体で未来を担う子どもたちを育む。

 具体的には、地域交流センターを拠点として、コーディネーターや地域人材の応援をいただき、農業体験活動や食育授業、放課後子供教室など、様々な学社連携事業を推進する。

(市町村 2017-04-10付)

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