余市町の29年度教育行政執行方針(市町村 2017-04-28付)
【小樽発】余市町教委の中村寿仁教育長(当時)は、第一回定例町議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。自ら学び、自ら未来を切り拓く学習指導、思いやりと自ら律する心を大切にする生徒指導、生命を尊ぶ心を大切にする健康・安全教育と教育環境の整備などの充実を図る。
執行方針の概要はつぎのとおり。
◇
▼基本姿勢
学校教育では、子どもたちの個性を大切にするとともに、基礎・基本をしっかりと身に付け、社会で生きる力を養うための確かな学力の習得、豊かな心、健やかな体を育むための調和のとれた教育活動の一層の充実に努める。また、学校・家庭・地域が互いに連携・協力しながら、それぞれの機能を発揮し、様々な課題の解決に努めるなど、子どもたちの確かな成長をもたらす教育を推進する。
社会教育では、自主的・自発的に、自分に適した手法によって学び続けることのできる機会の提供を図り、生涯学習社会の構築に努めていく。また、町民が健康で心豊かに生きがいをもって学び、習得した学習の成果を地域に寄与できる環境づくりを図る。
▼自ら学び、自ら未来を切り拓く学習指導の充実
児童生徒の学力・学習状況を把握し、その分析と課題の検証を行い、授業改善を行うとともに、きめ細かな指導や支援の充実に努める。また、学校と家庭が連携しながら、基本的な生活習慣と学習習慣の定着に取り組む。学校生活に、「困り感をもった児童生徒」「通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒」の個に応じたきめ細かな教育活動を支援するため、引き続き、学習支援員等を配置する。
特別支援教育については、各学校の特別支援教育コーディネーターを中心に、関係機関との連携を図りながら、児童生徒の教育的ニーズに応じた適切な指導と支援の充実に努める。さらに、特別支援教育に関する教職員の専門性の向上に向けた各種研修会への参加の促進を図る。
外国語教育や国際理解教育については、外国語指導助手を引き続き二人配置し、「生きた英語」による児童生徒のコミュニケーション能力と国際感覚の養成に努めていく。
ICT教育については、情報機器の充実と活用能力の向上を図るとともに、インターネット上のトラブルを未然に防ぐため、家庭との連携や情報モラル教育のさらなる充実を図る。
地域に信頼される学校づくりに向けた学校運営については、学校評議員会や学校評価制度の活用を図り、学校だよりや教育活動の地域公開などを通じ、保護者や地域住民への情報提供を行うとともに、地域に根ざした教育活動に取り組む。また、学びや育ちの連続性を重視するとともに、児童が小学校から中学校への進学において、新しい環境での学習や生活へ支障なく移行できるよう、小・中学校相互の連携強化に努めていく。
教育の質を確保する観点から、教職員が児童生徒一人ひとりに向き合う時間をより多く確保する学校体制の整備、さらには、各種研修会への積極的な参加を促進し、学校組織の活性化と教職員の実践的指導力の向上に努めていく。
▼思いやりと自ら律する心を大切にする生徒指導の充実
生徒指導では、児童生徒との信頼関係の構築と心が通い合う人間関係を基盤として、相談体制や支援体制の強化を図り、児童生徒が自信や誇りをもち、自らが判断し行動する力の育成に努める。
不登校については、スクールカウンセラーを引き続き配置し、相談体制と支援体制の充実を図るとともに、関係機関と連携し、専門的な立場からの適切な助言や支援を行う。また、小・中学校へ指導員が訪問する巡回相談の実施によって適応指導教室「しーがるず」に通級する児童生徒が増えていることから、適応指導教室を開設するとともに、不登校や不登校傾向の児童生徒の学校復帰に向けた指導や支援を行っていく。
いじめ問題では、いじめを絶対許さない環境づくりを学校運営の根幹に位置付け、「いじめの実態調査アンケート」などの結果や分析結果を積極的に活用するとともに、教育行政・学校・地域・家庭の連携強化を図り、早期発見と早期解決に向けた取組を推進する。
教職員による体罰や体罰と感じさせるような不適切な指導が行われないよう、教職員の意識改革等を促進するとともに、研修体制を確立し、適切な生徒指導の確立に努める。
▼生命を尊ぶ心を大切にする健康・安全教育と教育環境の整備充実
非行・犯罪被害の未然防止については、学校における「指導体制や相談体制の強化」「危険回避に関する教育など防犯教室の開催や防犯訓練の実施」「性や薬物に関する指導」の充実を図る。さらに、保護者や区会等への情報提供や啓発活動を行い、学校と家庭・地域の連携を強化する。
交通安全については、安全マップを活用した意識啓発や交通ルール等の指導を徹底する。
学校施設では、引き続き、室内空気環境測定やアスベスト測定などを実施するとともに、老朽化した施設の改修、さらには、小学校遊具を新たに設置するなど、安全性確保に向け施設の適切な維持管理に努める。
学校保健では、小学校においてフッ化物洗口を実施しており、児童の歯の健康づくりに向け本年度も継続していく。
学校給食については、調理場の環境改善と衛生管理を徹底し、安全で安心な給食の提供に努める。また、子どもたちが食の重要性への理解を深め、食育を通した望ましい食習慣を養うための指導を充実させる。
学校図書館については、図書の充実と併せ、ボランティアによる図書整理や読み聞かせの支援、町図書館との連携によって、学校の要望に沿った図書の貸し出しや出前図書館の活用を図る。
このほか、子育て・教育支援の一環として、教育にかかる経済的支援を継続し、均等な教育機会の確保に努めていく。
(市町村 2017-04-28付)
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