遠隔システム方式の研修 8月に全道14管内で実施 教育委員会会議―道研が報告(道・道教委 2017-06-02付)
道立教育研究所は、五月三十一日に開かれた道教委の教育委員会会議で、「遠隔システム方式」による遠隔研修の本年度実施概要などを報告した。道研と研修会場となる道立高校をほっかいどうスクールネットで結び、講師と受講者の双方向による研修を、ミニ道研として行うもの。八月に、小・中学校、高校の教員を対象とし、全道十四管内の道立高校を会場に実施する。
広域分散型の本道で教員研修を行うのに当たり、研修会場までの移動に時間がかかること、そのために教員の子どもと向き合う時間が少なくなること、また、旅費等のコストがかかることなどの課題がある。それらを踏まえ、本道の状況に対応した研修方法が必要となっている。
道研による遠隔研修は、収録した講義を配信する単方向の「オンデマンド方式」と、道研と遠方の研修会場を通信回線で結び、リアルタイムで協議、演習を行う双方向の「遠隔システム方式」「Skype方式」がある。
このうち、ビデオ会議システムを活用した「遠隔システム方式」は、ハイビジョンカメラや高性能集音マイクを使用できることで、映像や音声がクリアなこと、タイムラグがほとんどないことなどのメリットがある。
一方、研修会場は、ほっかいどうスクールネットに接続している道立高校に限定され、効果的な演習・協議を行うためには、参加者は現時点で二十人程度が最適とされる。また、通信費は特に必要ないが、初期投資に費用がかかるといった課題がある。
昨年度、主に小・中学校の教員を対象に、道立高校六校で、遠隔システム方式による遠隔研修を試行した。
本年度は、小・中学校に加えて高校の教員を参加対象とし、十四管内の道立高校で実施する。八月に八日間をかけ、二十六会場で行う。各一日日程。
五月三十一日の教育委員会会議では、道研の担当者が遠隔研修の取組について報告した。
昨年度、研修を視察した委員からは、「参加する教員の負担が軽減されることを実感した。効率的に研修を行う様々な工夫もされており、一般のインターネット回線とパソコンで接続できれば、さらに便利になる。今後も、より多くの先生が活用する機会が増えるよう進めてほしい」と期待する声が挙がった。
道研は今後、遠隔研修の各方式の特性を踏まえ、誰でも簡単に機材を設置し、効果的な研修を行うことができる『遠隔研修の手引き』の作成や、通信等のトラブルが発生した際に研修会場で代わりに実施する「代替プログラム」の開発、研修事業へのさらなる導入を図っていく。
ミニ道研の実施計画はつぎのとおり(▽実施日=実施管内、カッコ内は会場校)。
▽8月1日=後志(岩内)、宗谷(稚内)、十勝(帯広工業)
▽8月2日=胆振(室蘭栄)、渡島(函館中部)、桧山(江差)、釧路(釧路湖陵)
▽8月3日=空知(滝川工業)、留萌(留萌)、オホーツク(北見北斗)
▽8月4日=日高(浦河)、上川(旭川東)、根室(中標津)
▽8月7日=空知(滝川工業)、後志(岩内)、宗谷(稚内)
▽8月8日=渡島(函館中部)、桧山(江差)、釧路(釧路湖陵)
▽8月9日=胆振(室蘭栄)、留萌(留萌)、オホーツク(北見北斗)、根室(中標津)
▽8月10日=日高(静内)、上川(旭川東)、十勝(帯広工業)
(道・道教委 2017-06-02付)
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