札幌市教委 道徳教育推進教師研修開く 講演、講義通し研鑚 講師に四天王寺大・杉中准教授(市町村 2017-07-05付)
杉中准教授は、道徳科における評価の在り方等を説明した
札幌市教委は六月三十日、市内ちえりあで道徳教育推進教師研修を開いた。小・中学校、高校、特別支援学校の道徳教育推進教師が参加。道徳教育の推進に向け、講演や講義を通して研鑚を積んだ。
会の冒頭、工藤真嗣研修担当課長があいさつ。「特別の教科 道徳」の動向にふれ「研修を通して評価をはじめとして、教科化に向けた指導方法等について研修を深めるとともに、国や札幌市の今後の道徳教育の方向性や最新の情報を得てもらい、今後の自校での取組に生かしてほしい」と呼びかけた。
続いて、四天王寺大学の杉中康平准教授が「〝教科〟時代の道徳授業を創る」と題して講演。グローバル化が進展する中で育むべき豊かな心について、学習指導要領の一部改正された総則から「自ら感じ、考え、他者と対話し、協働しながら、より良い方向を目指す資質・能力を備えることがこれまで以上に重要」と紹介し、「その資質・能力の育成に向けて道徳教育が大切な役割を果たす」と強調した。
道徳科における評価の基本的な考え方として、教師にとっては「目標や計画、指導方法の改善・充実に取り組むための資料」、児童生徒にとっては「自らの成長を実感し、意欲の向上につなげるもの」と紹介。評価について「個の成長という連続する道徳的な学びの成果をとらえること」「一単位時間の指導の成果を拙速に求めないこと」などを挙げ、自身の成長を確かめることができる道徳ノートの導入を求めた。
また、道徳科の特質を踏まえた評価の在り方として「数値ではなく記述式」「(仲間とともに学びの場で違いに気づくなど)学習活動においてより多面的・多角的な見方へ発展しているか」「道徳的価値の理解を自分自身とのかかわりの中で深めているか」「道徳科の学習活動における児童生徒の具体的な取組状況を一定のまとまりの中で見取ること」などと説明。他都市の道徳の授業評価の発問例等も紹介した。
このあと、児童生徒担当課の細川直久児童生徒担当係長が道徳教育推進教師の役割について説明。道徳教育を推進するリーダーとして「道徳教育の組織的な推進」「家庭や地域社会との連携」「校内研修の充実」などを求めた。
(市町村 2017-07-05付)
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