えりも町の教育行政執行方針―川上教育長説明 未来えりも学を推進 小中高の連携・接続強化へ(市町村 2017-07-12付)
えりも町教委・川上松美教育長
【浦河発】えりも町教委の川上松美教育長は六月三十日、町議会で教育行政執行方針を説明した。〝えりも型地域学校〟構築の検討をスタートさせ「えりもだけ、えりもならでは、小中高生が継続して学ぶ教育活動」を通称「未来えりも学(未来を担うえりもの子の学び)」と名付け〝えりもの子はえりもで育てる〟の理念のもと進めていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育推進の基本姿勢
各学校が経営の基盤「見据える八つの危機管理~組織運営、教育課程、生徒指導、健康安全、服務・勤務、施設管理、保護者・団体・関係機関、個人情報」をしっかりと認識し、町ならではの教育を「チームえりも」で進めていく。
▼小・中学校における知・徳・体の調和のとれた教育
▽基礎学力を身に付ける教育活動の深化
二十九年度は、重点として①現状と学習指導要領改訂を見据えた学校改善プランの実行②授業改善の四つの方策の徹底(未来えりも学)③学力調査の分析を踏まえたPDCAのCAの実行④放課後や長期休業中の学習サポートと家庭学習の徹底(未来えりも学)⑤習熟度別指導やTT指導の工夫⑥諸テスト・準入学選抜試験等への数値目標の設定と実行⑦実物投影機の教室常設と活用⑧「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った話し合い活動の工夫⑨小中高の接続を図る総合的な学習(未来えりも学)―を進める。
また、教育向上対策委員会の諸活動を「未来えりも学」と位置付け、各種学力・学習状況調査の反省を踏まえて数値目標達成方法を学習状況項目の指導の強化を図り、キーワードを「続・凡事徹底」と「指導の深化」、「家庭学習の充実」として進めていく。
▽豊かな心と健やかな体を育む教育活動の充実
いじめの対応やスマートフォン等の利用・自己管理など、道徳教育と生徒指導の充実を一層図ることが必要である。そこで、重点として、①校内道徳教育推進教師を中心とした学校体制の深化②道徳の年間指導計画の見直しと道徳実践③『私たちの道徳』の活用の徹底④いじめアンケート調査の活用と教育相談・日常観察の徹底⑤小中高「いじめ根絶標語」(未来えりも学)や「生活リズムチェック」の推進―を進めていく。
健やかな体の育成では、二十八年度の新体力テストの結果を踏まえ、重点として、①「体力向上プラン」による一校一実践の発展②新体力テストの全学年実施と体力不足の方策強化③フッ化物洗口等、虫歯予防策の充実④学校におけるアレルギー対策⑤地域を位置付けた防災訓練(未来えりも学)―を進めていく。
また、食育では、本年度、えりも岬小学校の三十年度からの給食実施準備にかかるとともに、庶野小学校についても地域の要望を受け検討していく。
▽児童生徒の自立を目指す特別支援教育の充実
児童生徒の自立を促すため、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や支援を行うとともに、計画的に関係機関との連携を図ることが大切である。本年度は、①児童生徒支援や指導体制の確立②個別支援検査等を踏まえた「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」③校種間の情報交換や関係機関との行動連携―を一層図る。
▼高校教育の充実・発展
▽進路実現を目指す教育活動の充実
本年度は、重点として、①多様な教育課程の編成・実施(未来えりも学)②個々の進路に対応した教科指導③進路実現を図るキャリア教育④現状を踏まえた部活動⑤きめ細やかな生徒指導と家庭との連携―を進める。さらに、今後の町立えりも高校存続のため、通学費支援や各種検定、模試補助等の施策について町長部局と協議・検討していく。
▼中高一貫教育の充実と小中高の連携・接続
本年度は、連携の重点として、①「中高一貫教育講師」などによる乗り入れ授業の深化(未来えりも学)②小中高生の「百人浜に学ぶ」教育活動(未来えりも学)③中高連携の部活動―を進めていく。
小中高の接続では、重点として、①英語、漢字、数学検定(未来えりも学)②小中高の接続・連携を図るキャリア教育(未来えりも学)③自然・歴史・産業等を生かした総合的な学習(未来えりも学)④他校の授業と研究協議への参加―を進めていく。
▼地域に信頼される学校づくり
学校には、自らが信頼を得るために「やるべきことをしっかりやる」学校体制を確立するとともに、学校に地域が支援・参画する「地域学校」を構築することが求められている。このことから、教育委員会としては「えりも型地域学校」を検討していく。
そこで本年度は、重点として、①「KTSの誓い」等の服務規律の徹底②指導力向上を図る研修の充実③地域とともにある学校行事と地域行事(未来えりも学)④「えりも型地域学校」の構想にかかる話し合い―を進めていく。
(市町村 2017-07-12付)
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