幼小中高一貫教育推進会議等開く―鹿追町教委等 独自教科の研究状況確認 「新地球学」など7授業公開(市町村 2017-07-13付)
分科会などを行い、今後の幼小中高一貫教育のよりよい方向性を探った
【帯広発】鹿追町教委と町幼小中高一貫教育推進会議(委員長・志知芳彦鹿追高校長)は六月下旬、町民ホールなどで「幼小中高一貫教育推進会議・研究開発学校運営指導委員会合同会議」を開催した。町教委で進めている独自教科「新地球学」「地球コミュニケーション」の七授業を公開したほか、研究開発の状況や実施計画等について確認。これまでの研究成果を発揮するとともに、今後の幼小中校一貫教育のより良い方向性を探った。
十五年度に文部科学省から研究開発の指定を受けた同町では、世界的な視野から環境問題を解決する力を育むことを目指して、小中高十二年間を見通した独自教科「新地球学」「カナダ学」を中心に研究を進めてきた。
延長指定を受けた二十七年度には、「カナダ学」を新設教科「地球コミュニケーション」に切り替えて、新たな教育課程の編成および指導方法の研究を推進。グローバル社会に対応する英語を中核にした多様なコミュニケーション能力の向上に向け、幼小中高の十三年間を視野に入れたカリキュラム開発に取り組んできた。
本年度は三年次指定の最終年次。「地球コミュニケーション」のカリキュラムを開発し、英語を中核にした多様なコミュニケーション能力の向上を図るほか、これまでの「新地球学」の研究を通して作成した教科書を使用し、指導方法の改善・充実を図ることを目指して実践に取り組んでいる。
この日ははじめに、鹿追小学校、笹川小学校、通明小学校、上幌内小学校、鹿追中学校、鹿追高校で「新地球学」と「地球コミュニケーション」の計七授業を公開。公開授業後に、第一回運営指導委員会を行った。
会の冒頭で鹿追町教委の大井和行教育長が新たな運営指導委員に委嘱状を交付したあと、志知委員長があいさつした。近年の教育状況にふれ、子どもたちに求められる資質や能力などを明確化し、社会と共有して実現を図る「社会に開かれた教育課程」が求められていることを強調。その上で「本研究開発の果たす役割は社会に開かれた教育課程の理念を具現化する先進的な取組である」とし「ことしは本事業の集大成として、幼小中高および町が一体となって取り組んでいきたい」と呼びかけた。
続いて、島田諭学校教育指導室長が本年度実施計画概要を説明した。
このあと、分科会を行い「新地球学」「地球コミュニケーション」の部会に分かれて協議。新地球学部会では「五感を使って鹿追町の自然を体験させることが大切」「生徒たちが主体的に課題について考えられるよう教師側からの働きかけが必要」などの意見が挙がった。
一方、地球コミュニケーション部会では「小学生と中学生が一緒に授業を行うことで、中学生は教えることで成長がみられ、小学生は中学生のサポートによって安心して授業に参加できていた」「中学生のアドバイスが小学生の励みとなり、小学生も年下の子に優しく教えようとする気持ちが芽生えていた」など小・中学校の交流授業の成果を感じていた。
(市町村 2017-07-13付)
その他の記事( 市町村)
小中4校合同CSを設置 設置準備委開き方針等確認―苫前町教委
【留萌発】苫前町教委は、町内小・中学校四校合同の学校運営協議会(CS)を設置した。六月下旬に開かれた町学校運営協議会設置準備委員会および定例会において、池田文敏教育長が対象校に通知書を交付...(2017-07-18) 全て読む
札幌市が条例素案まとめる 共生社会の実現目指す 障がい者の情報取得環境を整備
札幌市は、仮称・障がい特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例素案をまとめた。障がい者がそれぞれの障がい特性に応じた手段によってコミュニケーションを行いやすい環境を整備す...(2017-07-18) 全て読む
乙部町教委が通学合宿開催 子ども同士で避難行動考案 初の気象庁ワークショップを
【江差発】乙部町教委は六月中旬、乙部町民会館などで二泊三日の「おとべ塾☆通学合宿」を開催した。防災意識を高めるため、初の試みとして気象庁ワークショップを実施。台風によって大雨などの注意報や...(2017-07-14) 全て読む
札幌市教委が学校・園に通知 子を見守る取組進めて
札幌市教委は六日、「子どもの命の大切さを見つめ直す月間」の設定と命を大切にする指導の充実に関する通知を全市立学校・園に発出した。期間は八月二十五日から九月二十二日まで。一人ひとりの子どもを...(2017-07-14) 全て読む
上士幌町教委が服務等に関する研修会 信頼される学校づくりを
【帯広発】上士幌町教委は四日、町生涯学習センターで学校などの教職員を対象に服務等に関する研修会を開催した。町内の小・中学校、高校、認定こども園、発達支援センター、学童保育所などから三十五人...(2017-07-14) 全て読む
鹿追町幼小中高一貫教育推進会議 水質題材に思考力養成 公開授業―鹿追高・新地球学
鹿追町の幼小中高一貫教育推進会議(六月下旬)で実施した公開授業のうち、鹿追高校二年特別進学コースの新地球学「水質調査」では、梶田頼子教諭が指導に当たった。生徒たちは生態系における物質循環と...(2017-07-13) 全て読む
札幌市教委 スクールカウンセラー活用の充実へ 協議会でガイドライン作成 委員長に西野中・長谷川校長
札幌市教委は、本年度の研究開発事業「スクールカウンセラー活用の充実」について、札幌市立西野中学校の長谷川正人校長を委員長とする研究協議会を設置した。学校の教育力を高める組織的な教育相談体制...(2017-07-12) 全て読む
えりも町の教育行政執行方針―川上教育長説明 未来えりも学を推進 小中高の連携・接続強化へ
【浦河発】えりも町教委の川上松美教育長は六月三十日、町議会で教育行政執行方針を説明した。〝えりも型地域学校〟構築の検討をスタートさせ「えりもだけ、えりもならでは、小中高生が継続して学ぶ教育...(2017-07-12) 全て読む
全国教育実践調査に助成金―札幌市教委 功績表彰受賞者等に支給 来年1月発表分から適用
札幌市教委は、三十年度から新たに全国教育実践調査助成事業を実施する。市教育実践功績表彰の受賞者や受賞校に対して、全国の先進的な取組に対する調査などへ助成金を支給するもの。三十年一月に発表さ...(2017-07-11) 全て読む
外国語活動充実へ巡回指導教員加配(道教委事業)―北見市教委 TTなどで指導法共有 中学英語教諭が小学校8校に
【網走発】北見市教委は本年度、管内で初めて道教委の「小学校外国語活動巡回指導教員研修事業」に取り組んでいる。巡回指導教員は北見市立高栄中学校を本務校に、本務校と兼務校八校で活動。五・六年生...(2017-07-10) 全て読む