乙部町教委が通学合宿開催 子ども同士で避難行動考案 初の気象庁ワークショップを
(市町村 2017-07-14付)

乙部通学合宿
函館地方気象台の職員から防災に関する説明を受ける子どもたち

 【江差発】乙部町教委は六月中旬、乙部町民会館などで二泊三日の「おとべ塾☆通学合宿」を開催した。防災意識を高めるため、初の試みとして気象庁ワークショップを実施。台風によって大雨などの注意報や警報が発令されたと想定し、どんな行動をとるか、子ども同士で話し合った。

 集団生活による規則正しい生活の実践の場とし、望ましい生活・学習習慣の定着を図るとともに、研修プログラムを通して仲間と協力し、自主的に行動する力を養うもの。小学校中・高学年の児童二十一人が参加した。

 初日、開校式に続いて、道内初の気象庁ワークショップを実施。気象予報士で函館地方気象台の新谷宏防災指導係長らが講師を務めた。

 はじめに新谷係長が講義を行い、豪雨被害の実際を紹介するとともに、注意報から特別警報に至る防災気象情報の流れを説明した。

 つぎに、子どもたちによるグループ討議を実施。「川のそばに住むAの家族」か、「斜面のそばに住むBの家族」のどちらかになり、台風の接近によって深刻度を増す防災気象情報を受け取りながら、「どのタイミングで、どんな避難行動を、なぜとるのか」を考えた。

 最後に、話し合ったことを班ごとに発表。注意報が出た段階では「水道・光熱が使えなくなるかもしれないから食料を確保する。避難所までのルートを確認する」、警報が出た段階では「歩行困難な祖父がいるので、明るいうちに避難所に行く」など、防災気象情報を受け取ったあとに取る具体的な行動を説明した。

 プログラム終了後、新谷係長は「自分の命を自分で守るためには、何が必要で、住んでいる場所にはどんな危険が潜んでいるかを知る必要がある。ワークショップは、こうした知識を得るきっかけになったのではないか」と話していた。

 初日はこのあと、現役の新聞記者による「文章の書き方教室」、夕食の準備をする調理体験などが行われた。夜は、子どもたちが町民会館で寝泊まりし、二日目と三日目は学校に登校。下校後のスケジュールに学習活動を盛り込み、学習習慣の定着を図った。

(市町村 2017-07-14付)

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