十勝管内教育研究所連絡協議会が所員研修会 資質・力量の向上に努め 道教育大学・玉井教授の講演など
(関係団体 2017-07-18付)

十勝管内教育研究所所員研修会
124人が参加し、研究所員としての資質向上を目指して研鑚を積んだ

 【帯広発】十勝管内教育研究所連絡協議会(会長・斉藤博十勝教育研究所長)は五日、上士幌町生涯学習センター「わっか」で二十九年度管内教育研究所所員研修会を開いた。管内各研究所の所員百二十四人が参加。講演や研究協議などを通して、研究所員としての資質向上に努めた。十勝教育研究所・上士幌町教委主管。

 研修会は、管内各教育研究所の今日的な課題と役割を明らかにし、相互の研究成果の交流を図ることで、研究所員としての力量を高めることが目的。管内十九市町村の研究所所員百二十四人が参加した。

 冒頭、あいさつに立った斉藤会長は、ことし三月に新学習指導要領が告示されたことにふれ「これまでの教育実践の蓄積に基づく授業改善の活性化や子どもたちの知識・理解の質の向上を図り、これからの時代に求められる資質・能力を育んでいくことが大切」と強調。「本日の研修内容を自校にもち帰ることで各学校の刺激剤となるような研修会にしてほしい」と呼びかけた。

 引き続き、来賓あいさつとして、十勝教育局の竹林亨局長と上士幌町教委の小堀雄二教育長が登壇。竹林局長は「研修会を通して、所員相互の交流を深め、十勝全体の研究体制の一層の充実を図ってほしい」、小堀教育長は「次代を担う子どもたちの生きる力を育む実り多い研修会にしていただきたい」と期待を寄せた。

 続いて、道教育大学釧路校の玉井康之教授が「次期学習指導要領の目指すもの~学校全体で取り組むカリキュラム・マネジメント」と題し講演。新学習指導要領の中心的課題として「生きる力」を挙げて、「生きる力を育むには、学校の知識だけではなく、社会の中で思考し、創造する力を身に付けることが求められる」と指摘。「予測できない変化に受け身で対応するのではなく、主体的に向き合って人間関係の中で深くかかわり合うことが大切」との考えを示した。

 また、「社会に開かれた教育課程の考え方」で生きる力を高める大切さを強調した上で、先進的な取組としてアメリカの授業実践を紹介。アメリカの教科書には、地域素材を大幅に取り入れていることや、授業の内容には、議論する展開が多いことにふれ、アメリカの授業の要素を日本の授業にも取り入れていく必要性を説いた。

 このあと、かみしほろ学園推進本部の推進室長を務める上士幌町立萩ケ岡小学校の大村篤志校長が「かみしほろ学園でつなぐ全町教育~CSとゆめ育応援団」をテーマに上士幌町におけるコミュニティ・スクールの取組を紹介したほか、「研究所運営部会」「学び(確かな学力)を育む部会」「心(人間性・社会性)を育む部会」の三部会に分かれて研究協議を実施。参加者は研究所員としての力量向上に向けて活発に意見を交わした。

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十勝管内教育研究所所員研修会玉井教授
玉井教授は「生きる力」を育むために、社会に開かれた教育課程を実現する大切さを説いた

(関係団体 2017-07-18付)

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