道公立学校事務長会が理事研 事務改善の検証など継続 人材確保・育成を―阿部会長
(関係団体 2017-07-19付)

道公立学校事務長会理事研阿部雅一
あいさつする阿部会長

 道公立学校事務長会は十四日、ホテルライフォート札幌で二十九年度第一回理事研究協議会を開いた。開会に当たって、阿部雅一会長があいさつ。就学支援金にかかわって「所得制限することなくすべての生徒に支給し、実質無償化とするよう強く求めていく」と述べた。「事務主任候補者の人材育成が重要」なことから、人材の確保・育成に向け指導助言等に取り組むよう求めた。事務改善の検証・要望を継続していく姿勢を示し「〝事務改善の検証〟と〝中長期的視野に立った計画的な人材育成〟の二点に取り組むことが、事務職員の学校運営への積極的な参画を促し、新たな学校事務室への扉が開かれていく」と述べた。

 理事研では、道教委総務課の所管事項説明のあと、議事に入り、全国事務長会の会議などについて報告。また、本年度事業推進計画などについて協議した。

 阿部会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

           ◇           ◇          ◇

 新体制がスタートして一月余りが過ぎた。この間、本部各部では、本年度の事業の具体的な取組について検討してきた。本日は、積極的な審議をいただき、活動をより充実させたいと考えているので、よろしくお願いする。

 また、事務長会活動を発展的に推進するためには、会員を中心とした支部活動の充実、本部活動への支援が不可欠である。支部長の皆さんには、どうか支部活動の一層の活性化に尽力いただくよう、よろしくお願いする。

 当面する課題のうち、まず、就学支援金について。

 高校生などへの修学支援については、所得制限を導入した現行の高校等就学支援金制度の開始や、授業料以外の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金の創設などから三年が経過した。このため、国会審議における附帯決議を踏まえ、文部科学省では協力者会議を設置し、高校生などへの修学支援について、制度改正による効果や影響などについて検証し、取り組むべき課題や講ずべき措置などについて検討を始めた。

 全国本部では、文科省からのアンケート依頼を受け、各支部からの意見・要望を取りまとめて提出することとなった。

 北海道としては、先日のアンケート調査の結果を踏まえ、制度が複雑で、保護者の手間や学校の事務量も増加していることから、所得制限することなく、すべての生徒に支給し、実質無償化とするよう強く求めていく。

 続いて、人材の確保・育成について。

 本年度、五月の事務長会議において、総務課人事グループ主幹から二十九年度当初人事について、事務主任未配置校が五十三校であったとの話があった。学校内での連絡調整については事務主任の役割が大変大きく、事務主任候補者の人材育成がますます重要であると感じている。

 人材育成は、即効性が期待できる方策がないのも現実であり、日々の業務の中で事務長が行う部下職員への指導などに頼らざるを得ないのも、また現実である。

 一人でも多くの者が事務長、事務主任に昇任できるように指導・助言等に取り組んでいただきたいと考えている。

 最後に、事務改善について。

 ここ数年、事務改善をテーマに、各支部においても議論いただいてきた。

 本年一月には、事務改善による効率化・省力化の効果が十分ではない業務などについて現状を分析し、その課題解決のために具体的方策を提言としてまとめ、道教委へ提出した。本年度は、この提言に基づき、事務改善が学校事務室にとって、よりよいものとなるよう検証・要望を継続する。

 「事務改善の検証」と「中長期的視野に立った計画的な人材育成」の二点に、早急に取り組むことが、事務職員の学校運営への積極的な参画を促し、「事務処理室」から「学校運営企画室」への転換という、新たな学校事務室への扉が開かれていくものと確信している。

 以上、本年度も学校における様々な課題について会員の意見を聞き、検討し、行政機関をはじめとする関係機関と意見を交換し、ともに連携して学校運営が円滑に進むよう努めていくことが重要と考えている。

 本部としても、大きな変化の中、課題の一つ一つに真摯に取り組み、支部長をはじめ会員と本部役員が一丸となって前に進んでいくことが必要と考えているので、支援と協力をお願い申し上げる。

(関係団体 2017-07-19付)

その他の記事( 関係団体)

4町で会長が交代 日高7町の小・中学校長会役員

 【浦河発】日高管内七町の小・中学校長会の二十九年度役員がまとまった。日高町、新冠町、新ひだか町、浦河町の四町で会長が交代した。  本年度の役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼日高町 ▽...

(2017-07-21)  全て読む

道小学校家庭科教育連盟が総会 11月に函館で全道大会 31年度の道・東北大会へ準備

道小学家庭科教育連盟総会  道小学校家庭科教育連盟(新岡惠会長)は十五日、札幌市立本郷小学校で二十九年度総会・夏季研修会を開いた。総会では「自らよりよい生活を創り出す子ども~生活を見つめなおし 子どもの言葉や行動が変...

(2017-07-20)  全て読む

道小・道中が合同事務局研修会等 各課題テーマに情報交換 小中連携、教職員定数など

道小道中合同事務局研修会等  道小学校長会(角野誠会長)と道中学校長会(古谷雅幸会長)は十四日、ホテルライフォート札幌で合同事務局研修会・学習会を開いた。道小、道中の会員約四十人が参加。「小中連携」「加配、教職員定数」...

(2017-07-20)  全て読む

校長会3団体が連絡研究協議会 課題解決へ連携強化 実践発表で特色ある取組共有―釧根地区

釧根地区校長会3団体連絡協  【釧路発】釧路市中学校長会(大森伸会長)、道高校長協会釧根支部釧路ブロック(橋本達也支部長)、道特別支援学校長会根釧支部(小原雅浩支部長)は七日、釧路センチュリーキャッスルホテルで二十九年...

(2017-07-20)  全て読む

授業の実践方法など研修 道政研が公民科教育の学習会

 道高校政治経済研究会(=道政研、後藤哲会長)は「公民科教育講座Ⅴ」として、二十九年度第一回学習会を六月下旬に新さっぽろデュオカルチャースクールで、第二回学習会を七月上旬に札幌市内のかでる2...

(2017-07-19)  全て読む

十勝管内教育研究所連絡協議会が所員研修会 資質・力量の向上に努め 道教育大学・玉井教授の講演など

十勝管内教育研究所所員研修会  【帯広発】十勝管内教育研究所連絡協議会(会長・斉藤博十勝教育研究所長)は五日、上士幌町生涯学習センター「わっか」で二十九年度管内教育研究所所員研修会を開いた。管内各研究所の所員百二十四人が...

(2017-07-18)  全て読む

道特別支援学校長会が理事研 全教職員で支え合う職場を 法令順守の取組徹底―宮崎会長

道特長理事研宮崎会長  道特別支援学校長会は十日、道庁別館で二十九年度第一回理事研究協議会を開いた。開会式では、宮崎真彰会長があいさつ。近年、多大な被害をもたらす自然災害が増えていることを踏まえ「有事の際は、全教...

(2017-07-13)  全て読む

道国公立幼稚園・子ども園長会 教育推進の方策で意見交流 道教委・道の担当者と懇談会

道教委・道国公立幼稚園・子ども園長会教育懇談  道国公立幼稚園・子ども園長会(加藤貴子会長)は十日、道庁別館で幼稚園教育懇談会を開いた。同会会員、道教委および知事部局の担当者ら約二十人が参加。新幼稚園教育要領に基づいた幼児教育の推進、保...

(2017-07-13)  全て読む

新会長に笹原氏(広尾町教育長) 十勝管内教委連が役員会開く

 【帯広発】十勝管内教育委員会連絡協議会は六月三十日、十勝合同庁舎で役員会を開いた。欠員となっていた役員の選出を行い、新会長に広尾町教委の笹原博教育長を選出。このほか、きょう十三日の「飲酒運...

(2017-07-13)  全て読む

4種校長会長インタビュー④道特別支援学校長会・宮崎真彰氏 専門性の維持・向上を センター的機能発揮して

道特別支援学校長会・宮崎真彰会長 ―特別支援学校長会会長としての抱負  三十七代目の道特別支援学校長会会長の任をいただいた。昭和三十八年の発足以来、先達が脈々と築いてきた特別支援教育の歴史と実践を引き継ぐとともに、道教委を...

(2017-07-12)  全て読む