札幌市教委　算数の指導者用デジタル教科書　より分かりやすい授業へ　全小学校で２学期から活用

（市町村 2017-08-23付）

　札幌市教委は二十一日、全小学校に算数の指導者用デジタル教科書を導入した。教科書を効果的に活用するための教材で、立体の断面図を見せるなど児童にとって、より分かりやすい授業が可能となるほか、教員の授業準備の効率化が図られるもの。市教委では「教科書と併用しながら効果的に活用してほしい」と呼びかけている。

　市教委では、ＩＣＴを活用した情報化教育の推進に取り組んでおり、これまで市内小・中学校で実証研究を実施。また、各学級にタブレット端末を一台導入することも進めている。

　実証研究では「動画などのコンテンツを活用することで、より分かりやすい授業が可能となった」などの声が実証研究校から挙がったことから、本年度の二学期から算数の指導者用デジタル教科書を導入することとした。

　算数の指導者用デジタル教科書は、教科書を効果的に活用するための教材。教科書の内容をＴＶ画面に映し出して拡大するほか、紙の教科書では伝わりにくい図形や立体などにアニメーションを用いることで児童が興味・関心を高め、学ぶ楽しさを感じることが期待される。

　また、画面上で図を動かしたり、線や文字を書き込んだりすることができるほか、何度も書いたり消したりすることが可能。何枚も紙を使わなくなることで、児童が気兼ねなく何度も問題に取り組むことができる。

　教員にとっても授業準備の効率化を図ることができ、児童と向き合う時間の確保や時間外勤務の削減につながることも期待される。

　今後、市教委では算数の指導者用デジタル教科書の活用について効果検証を行い、他教科への導入も含めて検討していく考え。

(市町村 2017-08-23付)