29年度奨学生―札幌市教委まとめ 1297人、総額1億円 さらなる支援へ奨学基金を周知(市町村 2017-08-28付)
札幌市教委は二十九年度奨学生の採用者数をまとめた。辞退者を除く採用者は高校等一千四十三人、大学等二百五十四人の計一千二百九十七人。総額一億八十二万円の予算を見込んでいる。市教委では、奨学基金の周知を進めて寄付金を募り、より多くの学生・生徒を支援していく。
市は、意欲や能力はあるが、経済的な理由によって就学困難な学生・生徒を対象とした返還義務のない奨学金制度を昭和二十六年度から実施。公立高校で月額五千円、私立高校八千円、公立大学六千円、私立大学九千円の奨学資金や、入学支度金一万円から二万一千円を支給している。二十年度からは「小竹正剛奨学基金」を運用しており、既存の奨学生とは別枠で毎年採用している。
財源は、市民の寄付金を積み立てた十九億七千八百万円と小竹正剛奨学基金八億円の運用収入と市の予算で、二十八年度は市民から三千五十二万円の寄付があった。
奨学金制度の志願者募集は、春と秋の年二回で、春は高校・大学などに在学する学生・生徒が対象、秋は翌年に高校・大学などに進学予定の生徒が対象となっている。
奨学生の選考は書類のみで行い、二十九年度の奨学生採用者は高校等が一千四十三人と前年度より四人の増。志願者は一千三百二十五人で倍率は一・三倍だった。大学等の採用者は二百五十四人で、前年度より五人減った。志願者は五百五十六人で倍率は二・二倍となっている。
合計数は一千二百九十七人で前年度と比べ一人減。奨学金は一億八十二万円の予算となっている。
内訳は、一般枠が高校等九百二十七人、大学等二百二十四人で、定時枠が高校等のみで十六人。障がい枠が高校等七人、大学等八人となっている。
このほか、小竹正剛奨学基金を活用した採用人数は、高校等九十三人、大学等二十二人だった。
過去の採用者数の推移をみると、二十年度六百九十八人から、二十一年度には一千百六十九人と四百七十一人増加。市教委で「二十年度から二十二年度までに一千人に倍増」と第二次まちづくり計画に掲げたほか、二十年度からの小竹正剛基金の運用や二十一年度の市の緊急経済対策による追加採用が採用者数の増加をあと押しした。
市教委では来年度以降も一千三百人程度の採用者数を目標に掲げており、奨学基金の寄付金も随時受け付けている。
(市町村 2017-08-28付)
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