札幌市の交通環境学習フォーラム　道教育大附属札幌小の３年社会公開　路線図からまちを学ぶ

（市町村 2017-08-31付）

樋渡教諭は、昭和から平成にかけてまちが広がった理由を児童に発表させた

　「札幌らしい交通環境学習フォーラム」の中で、道教育大学附属札幌小の樋渡剛志教諭が三年二組の社会科「市の様子の移り変わり」（児童数三五人）の授業を公開した。児童に路線図を比較させて人口の変化を理解させるという授業を通じて、社会の変化を感じ取らせ、札幌の未来について考えさせた。

　授業は十三時間扱いの九時間目。本時の目標を「現在の公共交通の路線図と過去の公共交通の路線図を比較することを通して、まちの広がりと公共交通の広がりが関連づいていることをとらえ、既習や調査を活用してその理由について表現する」と設定した。

　児童たちは前時までの授業や、授業中の調査を通じて、札幌市の様子と変化について考え、市街地が拡大し、人口が増加してきたことを学習してきた。

　はじめに、樋渡教諭は昭和二十五年と四十九年、平成二十九年の人口動態の描かれた路線図を提示。児童たちに現在の路線図と過去の路線図を比較させることで、まちの広がりと公共交通の関係性に関心をもたせた。その上で、まちと交通が関係している理由を児童たちに考えさせた。

　全体交流では、児童の「昔は人が少なかったから駅が少なくてもよかった」「人口が増えると便利だから駅の近くに集まってきた」などの意見を取り上げ、まちの広がり、公共施設、公共交通、生活の道具といった四つの観点に着目して変化をとらえているかを児童に問い返し、より深い意見を引き出して話し合いを活性化させた。

　意見発表と問い返しを重ね、児童たちが人口の増加に伴ってまちが郊外へと広がってきたと理解し始めた段階で、平成七十二年の人口予測を提示。人口が昭和四十九年に近くなるという事実に着目させて、公共交通と人口動態がどうなるか、あらためて児童に考えさせた。

　授業公開後に、授業に対する意見交換を実施。モビリティ・マネジメント教育について理解を深めた。

(市町村 2017-08-31付)