札幌市教委の教員育成協議会　求める教員像など審議　資質に関する指標策定へ初会合

（市町村 2017-09-04付）

札幌市の求める教員像や教員育成指標について協議した

　札幌市教委は八月三十一日、市教委会議室で二十九年度第一回教員育成協議会を開いた。同会委員らが出席。学校教育を担う教職員の資質向上に向けて、市の求める教員像や教員育成指標について協議した。

　国では、教育公務員特例法等の一部を改正する法律等をことし四月一日に施行。公立の小学校等の校長および教員の任命権者が、文部科学大臣の定める教員の資質向上に関する指針を参酌し、地域の実情に応じて校長および教員の職責、経験および適性に応じて向上を図るべき資質に関する指標などを策定することとなった。

　市教委では、大学やＰＴＡ、校長会などの教育関係者、計十二人で構成する協議会を設置。教員の育成については、教員の養成・採用・研修の一体化が必要と考えており、協議会では市教委と大学との連携の在り方などを話し合い、教員育成指標や教員研修計画を策定することとした。

　冒頭、引地秀美学校教育部長があいさつ。「様々な課題の解決には、教職員が自ら時代の背景を踏まえつつ、常に自分の資質・能力の向上を図り続けるとともに、年齢や経験に応じた目標・役割を意識して、これまで以上に研修に意欲的に取り組むことが必要」と話し、市の教職員の資質向上に向けてそれぞれの立場からの意見を求めた。

　続いて、事務局が協議会設置の経緯などを説明。また、札幌市が求める教員像の素案を提示した。素案は教職を担うに当たり必要となる素養に関連する事項や、教育または保育の専門性に関連する事項、連携および協働に関する事項で構成。「教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い教育的愛情を、常に持ち続けている教員」「教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員」「学校づくりを担う一員として、地域などとも連携・協働しながら、課題解決に取り組む教員」の三つの柱のほか、それぞれのキーとなる資質・能力を掲げていることも説明した。

　このあと、札幌市が求める教員像や教員育成指標について協議。委員からは「二十年後を見据えるなど、教職員が子どもたちを導けるような内容にしてほしい」「人口減少など社会が大きく変化する中、新しい課題に対応できる力が必要」などの意見が出た。

　今後は、十・十一月に協議会を開き、年度内に教員育成指標および教員研修計画の策定を目指す。

(市町村 2017-09-04付)