札幌市が交通環境学習フォーラム　講義、公開授業など通し　教育と交通のつながり理解

（市町村 2017-08-31付）

小学校教諭、民間企業関係者など１６０人が参加した

　札幌市は二十八日、札幌コンベンションセンターで「札幌らしい交通環境学習フォーラム」を開いた。札幌市内の小学校教諭と民間企業関係者を合わせて約百六十人が参加。講義や公開授業、パネルディスカッションを通して、公共交通を扱った授業について理解を深めた。

　フォーラムは、市民の〝自動車利用〟を〝公共交通を含めた多様な交通の利用〟へと転換を図る「モビリティ・マネジメント」の一環。公共交通の重要性を認識し、公共交通を賢く使うことを効果的に学ばせるために、教材、授業プログラム等を開発し、札幌市内の小学校で広く実践することを目指している。

　冒頭、まちづくり政策局の中田雅幸都市計画担当局長があいさつ。「公共交通を授業で扱うことは、社会科や総合学習のテーマとして有用」と話した上で「フォーラムを通して、教育と交通のつながりに対して理解を深めていただきたい」と述べた。

　続いて、まちづくり政策局総合交通計画部の佐藤格郎都市交通係長が「小学校における札幌らしい交通環境学習」について講義。市の公共交通の概要と、これまでのモビリティ・マネジメントの取組を解説した。また、教育へ展開する目的として、①小学校において教諭主体で実施②市の学校全体に広める③誰でも実践できるようにする―の三点を挙げた。

　続いて、札幌市立資生館小学校の宮崎世司教諭と札幌市立信濃小学校の黒田健太教諭が授業実践を発表。宮崎教諭は「市電の教材化は、学習の中でまちづくりがみえてくるので、授業を通して社会参画力を養うことができる」と述べた。

　このあと、道教育大学附属札幌小学校の樋渡剛志教諭が社会科「市の様子の移り変わり」の授業を公開したほか、文部科学省初等中等教育局の澤井陽介視学官が「新学習指導要領全面実施に向けて」と題して基調講演。「新学習指導要領とこれからのモビリティ・マネジメント～教育と交通の手のつなぎ方」をテーマにパネルディスカッションを行った。

(市町村 2017-08-31付)