平均正答率の小数第1位を併記　学力・学習状況調査結果の公表―札幌市教委

（市町村 2017-08-31付）

　札幌市教委は、二十九年度全国学力・学習状況調査結果の公表について、各教科の平均正答率を整数値とともに独自に計算した小数第一位までの数値を併記することとした。二十九日に市教委で開かれた第十八回教育委員会会議で決定したもの。九月七日開催予定の教育委員会会議で分析結果を公表することとしている。

　文部科学省は本年度、「細かい桁における微小な差異が、実質的な違いを示すものではない」ことから、序列化や過度な競争が生じないよう配慮し、都道府県および指定都市の各教科の平均正答率について、小数点以下を四捨五入した整数値を用いて結果の提供、公表を行った。

　市教委では、数値の細かな差のみに着目するのではなく、全体の傾向を大きくとらえたり、無解答率や誤答率なども含めて、成果と課題を丁寧にとらえたりすることが必要としている。しかし、公表を始めた二十七・二十八年度は小数第一位まで示していたことや、道教委でも整数値と独自に計算した小数第一位までの数値を併記していることを踏まえ、市全体の平均正答率を整数値のみで示すことは、保護者や市民から「結果をあいまいにしている」という印象や誤解を招く恐れがあることから、各教科の平均正答率を整数値とともに、独自に計算した小数第一位までの数値も併記することとした。

　また、昨年度と同様に、教科の領域ごとに全国平均と比較し、三ポイントの幅を基準として「全国平均を上回る」など、五段階で表すほか、グラフを用いて表現するとともに、市全体の平均正答率の数値を公表する。

　個々の学校の調査結果の公表にかかる取扱いについては、学校間の序列化や過度な競争が生じないよう、個々の学校名を明らかにした調査結果の公表は行わないこととした。

(市町村 2017-08-31付)