旭川市大有小が教育実践研究発表会　「そろえる指導」を展開　ベテラン教員の知恵を若手に

（学校 2017-09-11付）

４年理科の公開授業で、ビーカーの水が温まる様子を観察する児童

　【旭川発】旭川市立大有小学校（馬場信明校長）は六日、同校で開校九十周年記念第五十回教育実践研究発表会・地域連携研修を開いた。研究主題「自己を見つめ、よりよく生きる児童の育成～自分ごととして考え、仲間とともに深め合う“道徳科”を目指して」のもと、研究二年目となる道徳の研究授業三本と、学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校として「そろえる指導」を踏まえた通常授業九本を公開。学校改善に取り組む実践の成果を発信した。

　同校は、二十五年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として学校改善に取り組んでいる。本年度は、「そろえる文化のパワーアップ」「学力向上のマネジメント」「人材育成のコーディネート」の三点を重点に、学校課題に対応。ベテラン教員が大量退職し、若手教員が急増しているため、ベテラン教員の経験と知恵を体系的に標準化し、全教員が「そろえる指導」を目指し、研究を進めている。

　活動の一つとして、全校一斉指導「大有っ子そろえる活動（ダブル６）」について、生活面と学習面から同じ指導ができるように指導ガイドを作成。生活編は時刻や整理整頓、あいさつなどの六項目、学習編は学習時間、学習用具、姿勢、返事など六項目で構成。教室や廊下などにポスターにして掲示し、児童の六年間のスムーズな育ちを図り、全校一斉指導に取り組んでいる。

◆全学年９授業公開

　この日、そろえる指導を踏まえた国語、算数など全学年の九授業を公開。そのうち、四年一組（加藤久貴教諭、児童数二九人）の理科では、単元「もののあたたまり方」を学習した。十時間扱いの七時間目。水は熱せられたところが上のほうに動き、上から順に温まっていくことを理解させることが目標。

　加藤教諭ははじめに、水はどのように温まるのか児童に予想させた。児童は、予想をもとに各班ごとに実験に取りかかった。

　その際、実験台の上には、実験用具のほか、必要な筆記用具だけを置くよう指示。児童はビーカーの水の中に絵の具やタバスコなどを入れて、温められた水とその中の液体の動きを観察した。予想や仮説を各班ごとで活発に話し合い、ホワイトボードに実験結果を記入したあと、各班ごとに結果を報告した。

　児童たちは、相手の話を最後まで聞く姿勢を保ち、発言するときは手を挙げて大きな声で発言。ほかの班の結果と比較して相違点や共通点を考え、意見を発表した。

　児童たちは、話し合いの中で結論を導き出し、水は熱せられたところの水が上の方へ動き、上から順に温まる過程を理解した。

(学校 2017-09-11付)