移行期間の外国語活動時数増で　卒業式の繰り下げなど検討　札幌市教委現段階の対応策

（市町村 2017-10-11付）

　新学習指導要領移行期間における外国語活動などの時数増について、札幌市教委の現段階の対応策が明らかとなった。小学校の卒業式の日程を遅らせて修了式に近づけるなどして時数を確保。また、始業式・終業式における授業の実施のほか、各学校でクラブ・委員会活動のない日に授業の実施や参観日の設定を工夫することなども想定している。今後も時数確保に向けた対応策を検討し、各学校に周知していく。

　市教委では、時数増への対応に向けてこれまで校長会とも連携し、取組を検討してきた。

　子ども・教職員の負担を増やさないことのほか、週五日制や長期休業の趣旨、総合的な学習の時間の充実といった観点から「土曜授業の実施」「長期休業期間の短縮」「年間を通じて週時数を一コマ増」「移行期間において、総合的な学習の時間を減じ、外国語活動に充てること」の四点を現段階では行わないこととした。

　現段階の対応策としては、卒業式の日程を遅らせることを想定。通常は修了式の五日前に卒業式を実施しているが、これを二日前にすることで時数を確保することとした。

　また、始業式・終業式における授業実施を予定。このほか、各学校に教育課程の見直しを求める。例としては、クラブ・委員会活動がない日に授業を実施するほか、参観日の設定の工夫などを想定している。

　このほかにも、時数確保に向けた方策も検討しており、固まり次第、各学校に周知することとしている。

　市教委では、新学習指導要領への移行について「円滑に移行するために段階的な教育課程の編成」「内容の履修漏れがないようにする」の二点が必要と考えている。このため、三十二年度からの全面実施に向けて、外国語活動の時数を十五時間以上確保するなど、段階的に教育課程を見直すこととしている。

(市町村 2017-10-11付)