【解説】国語に関する世論調査
(解説 2017-10-16付)

 本来の言い方とされる「足をすくわれる」を使う割合は三割弱、「存亡の機」を使う割合は一割に満たない。このような状況が、文化庁の二十八年度「国語に関する世論調査」で明らかになった。

 調査は七年度から毎年度実施。日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案などに役立てている。調査対象は、全国の十六歳以上の男女。ことし二~三月、三千五百六十六人を対象に実施し、二千十五人(五六・五%)から有効回答を得た。

 「新しい表現や慣用句等の意味・言い方」の調査では、三つの慣用句等について二つの言い方を挙げ、主に本来の言い方とされる表現を使うか調べた。

 「はっきりと言わないあいまいな言い方」は本来、「言葉を濁す」と表現するとされるが、それを使う割合は七四・三%。「口を濁す」を使うのは一七・五%だった。すべての年代で「言葉を濁す」が「口を濁す」を上回り、三十歳代で八三・五%と最も高い。「口を濁す」は、六十代が二四・五%で最も高く、次いで七十歳以上の一九・五%だった。

 「卑劣なやり方で、失敗させられること」の本来の言い方とされる「足をすくわれる」を使う割合は二六・三%。年齢別では、七十歳以上の三割以上が選んだ。一方、五十代以下は六~七割が「足下をすくわれる」を選び、すべての年代で「足をすくわれる」を一九~六〇ポイント上回った。十九年度調査との比較では、すべての年代で「足をすくわれる」が増えている。

 「存続するか滅亡するかの重大な局面」の本来の言い方とされる「存亡の機」を使う割合は六・六%。すべての年代で一割未満となっており、「存亡の危機」を使う人よりも七〇~八一ポイント下回った。

(解説 2017-10-16付)

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