道「高校魅力化」フォーラム 今後の学校の在り方協議 地域活性化成功事例など紹介(関係団体 2017-10-25付)
トークセッションでは、高校魅力化に向けて協議
北海道「高校魅力化」フォーラムが二十三日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。道総合研究調査会(HIT)が、今回初めて開いたもので、産業、行政、教育の関係者や学生約八十人が参加。㈱Prima Pinguino代表取締役・北陸大学経営経済学部教授の藤岡慎二氏が「教育を核とした地域の活性化~全国に広がる高校魅力化プロジェクト」と題して各地の高校魅力化の取組を紹介したほか、地域の人材づくりの拠点である学校の在り方について協議した。
はじめに、道高校魅力化研究会の鎌田昌市座長があいさつ。地域と学校は、いずれも若者が将来の希望に向かって生きていく場であるとし、高校魅力化を一つの切り口としてともに成長、発展を遂げることを期待。「地域の若者が生きる意欲をもち、地域とともに努力していく意気込みをもつ地域社会をつくることが到達点」と述べた。
話題提供では、Prima Pinguino代表取締役・北陸大経営経済学部教授を務める藤岡氏が「教育を核とした地域の活性化~全国に広がる高校魅力化プロジェクト」と題して講話。藤岡氏は、島根県立隠岐島前高校の魅力化プロジェクトに参加するなど、多くの高校魅力化プロジェクトに携わっている。
藤岡氏は「高校の廃校が子育て世代の流出、文化・産業資源の継承断絶へとつながり、地域の未来を奪う結果になる」と指摘。
一方、存続の危機から一転して生徒、学級、教職員増に転じた隠岐島前高校における高校魅力化の取組を紹介。①地域・高校ならではのカリキュラム改革②学力・進学を保証する公営塾の設置③全人教育でリーダーシップ・コミュニケーション能力を育む教育寮―を柱とする取組内容と成果を伝えた。
また、道内の天売高校のほか、沖縄県立久米島高校、長野県立白馬高校における高校魅力化の取組を紹介。「地域総がかりで子どもたちの学びを考え、学力、愛郷心を育てなくては、地域の未来はない」と断じた。
続いて、音威子府村都市交流センター木遊館の工芸指導員である福田亨氏が「おといねっぷ美術工芸高校で学んだこと」と題して講話。美術・工芸の世界の奥深さに魅了された高校時代、大学進学、就職を経て、再び音威子府村に戻ってきた経緯や心境を伝え「高校で学んだこと、経験したことが人生の基盤になった。このような環境を多くの人に知ってほしい」と述べた。
最後に、藤岡氏、福田氏に加えて、道教委の北村善春学校教育局長、札幌新陽高校の荒井優校長によるトークセッションを実施。北村学校教育局長は「地域や時代のニーズに基づき、地域と協力して教育課程を編成することが学校の役割」と語り、高校魅力化が誰に対しての魅力化なのかを明確にすること、教員から議論が起こる学校の空気づくりの重要性に言及した。
荒井校長は、教育行政と首長部局が連携し、地域の子どものためにできることを話し合うべきと主張。魅力的な授業づくりの実現を訴えた。
(関係団体 2017-10-25付)
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