札幌市教委の教員育成指標案　各ステージの求める姿示す　教員は素養、学習指導など４観点

（市町村 2017-11-02付）

　札幌市教委は十月三十一日、市教委会議室で開いた第二回札幌市教員育成協議会で教員育成指標案を示した。教員と管理職のキャリアステージに応じた指標を示すもの。教員は「教員の素養」「学習指導」「生徒指導」「協働・マネジメント」の四観点、管理職は「教職の素養」「管理職としての使命感と見識」「学校組織マネジメント」の三観点について、キャリアステージごとに求める姿を記している。

　国では、教育公務員特例法等の一部を改正する法律等をことし四月一日に施行。公立の小学校等の校長および教員の任命権者が、文部科学大臣の定める教員の資質向上に関する指針を参考に、校長および教員の職責、経験および適性に応じて向上を図るべき資質に関する指標などを策定することとなっている。

　市教委では、大学やＰＴＡ、校長会などの教育関係者で構成する同会を設置。教員の育成については、教員の養成・採用・研修の一体化が必要と考えており、同会では市教委と大学とのより一層の連携の在り方などを話し合い、教員育成指標や教員研修計画を策定することとしている。

　教員育成指標案の教員編では、教員のキャリアステージとして「札幌市が求める教師人生スタート時の姿」のほか、学級経営や教科指導など教職としての基礎を固める「基礎形成期」、専門性を高め、リーダーとしての資質を磨く「向上・充実期」、学校づくりの中心的な役割を果たし、組織的な運営力を高める「深化・牽引期」の四つに分類。また、観点として「教員の素養」「学習指導」「生徒指導」「協働・マネジメント」の四つを据えている。

　観点のうち、学習指導では、授業構築や指導技術、授業評価・改善における教員の各ステージごとの求める姿を示している。

◆管理職編も記載

　また、管理職編では「管理職候補の人材育成期」のほか、教頭に当たる「管理職の資質・能力向上期Ⅰ」や園長や校長、副校長に当たる「管理職の資質・能力向上期Ⅱ」の三つのステージに分類。

　求める管理職像を「確かな教育理念と経営力を兼ね備えた管理職」とし、観点として「教職の素養」「管理職としての使命感と見識」「学校組織マネジメント」の三つを据えた。

　観点のうち、管理職としての使命感と見識では、各ステージごとに教育への信念や理念、管理職としての使命感・責任感など四項目で求める姿を示している。

　今後は二十七日の第三回会議で修正案を提示。年度内に指標や教員研修計画を策定することとしている。

(市町村 2017-11-02付)