奥尻高のクラウドファンディング 目標120万円 8日間で達成 部活動遠征費に善意集まる 部局活動継続へさらなる協力を (学校 2017-11-13付)
生徒のシルエットとブナの葉をイメージしたTシャツの前面のデザイン
【江差発】奥尻町立奥尻高校(俵谷俊彦校長)が実施しているクラウドファンディング(CF)が八日、目標金額に達した。生徒の部活動の遠征費を募るプロジェクトを一日から公開したところ、開始後八日目で約百二十人の支援者から合計百二十万円余りが寄せられた。
同校には野球部、卓球部、バレーボール部、吹奏楽部、ボランティア局の五つの部局活動がある。離島のため、他校との練習試合や合同練習のために遠征すると、フェリー代や貸切バス代、宿泊費などが別途かかり、都市部の高校と比べ負担が大きい。
そのため、Webサイトを通じて、広く資金提供を募るCFを利用することにした。CFプロジェクトの立ち上げに当たっては、町内でまちおこしを手がけるイクシュンシリ・デザインが協力した。
九月から生徒有志三人が中心となって、資金調達の計画を立案。支援者に返礼品として提供するオリジナルTシャツのデザインを作成した。
一日からCFのWebサイト「CAMPFIRE」にプロジェクトを公開。タイトルは「離島のハンデをゼロに!奥尻島の高校生が〝Tシャツ〟で部活動を変える!」。部活動に励む生徒たちの写真を交えながら「私たちも他校との練習試合や交流を増やしたいのです」と訴えた。
返礼品のTシャツは「メトロブルー」「マスタード」「バーガンディ(ワイン)」「杢(もく)グレー」の四色で、S・M・L・XLサイズから選べるようにした。生徒の考案したデザインを前面にプリントし、背面の首元には奥尻高校サポーターズのロゴを入れた。
CFの目標金額は、遠征費やTシャツの製作費など、必要最小限の百二十万円に設定。CF開始から八日目で、到達率一〇〇%に達した。九日現在で約百二十人の支援者から合計百二十万円余りが寄せられた。
俵谷校長は「持続可能な遠征費の確保のため、生徒たちがCFの取組を始めた。集まった資金を遠征費に充てるのはもちろん、資金を元手に起業家教育を展開していきたい」と感謝の言葉を述べた。
一方、一〇〇%を達成したものの、金額的にはまだ十分とは言えないという。集まった資金をすべて遠征費に充てても、部局員一人当たり遠征一・五回分程度となる。井上壮紀教頭は「引き続き支援をいただきたい」と広く協力を呼びかけている。
(学校 2017-11-13付)
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