道教育大附属釧路小・中が研究会 小・中合同開催で計19授業公開 考え方高め“深い学び”実現
(学校 2017-11-13付)

附属釧路小中合同研究会
釧路中1年数学では、赤本教諭が“問い返し発問”を意識した授業を展開した

 【釧路発】道教育大学附属釧路小学校(阿部美穂子校長)と附属釧路中学校(酒井多加志校長)は十月下旬、両校を会場に教育研究会を開いた。小中一貫教育を念頭に置き、初めて小・中合同で開催した。同大の教員や学生、ほかの附属校の教諭を含め、道内外から三百二十九人の教育関係者が参加。研究主題「自ら学ぶ意味を創造できる児童・生徒の育成~“見方・考え方”の発揮、高まりから“深い学び”を実現する」のもと、両校で十九の授業を公開した。

本年度は小中連携五ヵ年計画の四年目。「各学年の発達の段階に即して“対話的な学び”の中で“見方・考え方”を高める工夫をしていくことによって、“見方・考え方”を高めながら学習内容を獲得していく“深い学び”が実現し、自律性が高まっていくであろう」との研究仮説を立て、研究主題に迫った。

◆中学1年数学「平面図形」

このうち、中学一年A組の数学科「平面図形」(赤本純基教諭、生徒数三四人)は、集団解決の場面において、本時の目標に迫る子どもの表現(つぶやき、発言、かいたもの、動作、表情)に対して意図的な“問い返し発問”を行い、生徒の学びを深めていく授業を展開した。

 本時は十七時間扱いの十五時間目。「二つの扇形の面積や弧の長さを比較することを通して、それらの求め方について説明することができる」を目標にして授業を進めた。

赤本教諭ははじめに「アの半径六㌢㍍、中心角九十度のピザと、イの直径九㌢㍍、中心角四十度のピザではどちらが大きいか」を生徒に予想させ、扇形の面積や弧の長さを求める動機付けを図った。

扇形の面積を求める方法を説明する生徒に対して、赤本教諭は「どうして九分の一をかけたのか」「九分の一と四十度には何の関係もないのか」などと問い返し、徐々に学びを深めていった。さらに「ピザの耳を多く食べたいとしたら、どちらのピザが多く食べられるか」と質問し、意図的な“問い返し発問”を通して、弧の長さの求め方を理解させていた。

このあと、全体会場の附属釧路中で開会式を行った。酒井校長のあいさつ、釧路教育局・熊谷誠教育支援課長の祝辞に続き、附属釧路小の高瀬航平教諭と附属釧路中の更科結希教諭が研究概要を発表した。

開会式で酒井校長は「今回、小中合同で研究大会を開催するが、これは小中一貫教育を念頭に置いたもの。今後は、義務教育学校を視野に入れた地域のモデル校としての小中一貫教育の実施に取り組んでいく」とあいさつ。

研究協議では、授業者が共同研究者の教育大釧路校教員とともに実践発表。参加者は道教委や教育委員会の指導主事、校長の助言を交えながら研究や授業の進め方について熱心に話し合った。

(学校 2017-11-13付)

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