道教委が夜間中学等協議会初会合 設置に向け意見を交換 就学援助、通学などで指摘
(道・道教委 2017-11-21付)

 道教委は十七日、道庁本庁舎で夜間中学等に関する協議会を初めて開いた。夜間中学の現状などに関する説明を行ったほか、公立夜間中学の設置に向けて意見を交換。入学対象者の状況、夜間中学のニーズを把握する必要性や、就学援助、通学など条件整備に関して指摘や質問が行われ、参加者からは「学び直しの機会を提供するとともに、世代を超えた交流が人間関係の構築につながる」「絶対にいじめがないという安心感が必要」などの意見が挙げられた。

 昨年十二月、国の「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が成立。文部科学省では、都道府県に少なくとも一つ夜間中学を設置すること、すでに設置している市町村においては、受け入れる対象生徒の拡大を図ることを目標に、措置を促している。

 協議会は、夜間中学における就学の機会の提供、その他必要な措置に関して、道および市町村の役割についての協議、事務実施の連絡調整を行うもの。今回初めて開いたもので、道、道教委、市町村長部局および教育委員会、中学校、高校、自主夜間中学、PTAの関係者など十四人が出席した。

 はじめに、村上明寛学校教育監があいさつ。国の動向や就学希望者の意向などを踏まえ、夜間中学の設置に向けた検討を進めるため「本道における夜間中学の在り方などについて、それぞれの立場からきたんのない意見を伺いたい」と述べた。

 続いて、義務教育課の谷垣朗教育環境支援・研修担当課長が夜間中学の現状などを説明。調査結果をもとに、本道の未就学者の状況、在留外国人や不登校生徒数の推移、自主夜間中学の状況などを伝え「これらの調査結果を踏まえ、本道における方向性について検討を進める必要がある」とした。

 また、札幌市教委の仙波晴彦教育推進課長が「夜間中学についての考察」と題して発表。夜間中学に対する多様かつ一定のニーズが存在するとし、国などによる職員配置への支援、役割分担の必要性を挙げた。

 そのあと、意見を交換。入学対象者の状況、夜間中学のニーズを把握する必要性があらためて指摘されたほか、就学援助、通学など条件整備に関する質問、事例紹介が行われた

 中学校、高校の立場からは、学力や人間関係で不登校になる生徒が多いことから「学び直しの機会を提供するとともに、世代を超えた交流が人間関係の構築につながるのではないか」との意見が挙がった。

 自主夜間中学の関係者からは、夜間中学から高校に進学する事例を踏まえ、学校間の連携強化、役割分担の必要性が指摘された。このほか「居場所と学びの場が同時に存在する場所の一つが夜間中学。絶対にいじめがないという安心感が必要」との声もあった。

 第二回会議は来年三月の開催を予定している。

(道・道教委 2017-11-21付)

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