道高教組・道教組が賃確交渉で声明 全教職員の賃金改善要請 部活動指導手当拡大など
(関係団体 2017-11-21付)

 道高教組(國田昌男中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は十七日、道教委との賃金確定交渉結果を受け、「四年連続の月例給・一時金の引き上げにとどまらず、すべての教職員の命と生活を守るために労働条件と教育条件改善を求めるたたかいを強める」とする声明を発表した。交渉結果について、四年連続アップとなったものの、「実質の賃上げはゼロ」などと批判。すべての教職員の賃金改善のほか、部活動指導手当の支給額・対象の拡大を求めた。声明の概要はつぎのとおり。

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 道高教組・道教組は、賃金確定教育長交渉を行った。私たちは、教職員が安心して子ども・保護者・地域のために仕事に打ち込むことができるよう、そして、教職員自身とその家族が安心して生活できるよう、賃金等を改善するよう求めてきた。

 その結果、人事委員会勧告の取扱いは、月例給・一時金ともに四年連続の引き上げの回答を引き出した。月例給は四百八十四円(〇・一三%)引き上げとなり、初任層は一千円程度、それ以外は再任用も含め四百円の給料表の引き上げとなる。しかしながら、激変緩和による現給保障が措置されている教職員は、実質の賃上げはゼロとなる。引き続き、すべての教職員の賃金改善につながるよう求めていく。

 一時金は〇・一〇月引き上げられ国並みの四・四〇月に、再任用職員は〇・〇五月引き上げられ二・三〇月となったが、改善分はすべて勤勉手当に配分した。人事評価結果の活用によって格差が生じる勤勉手当のみへ配分したことは、教職員の協力共同を壊す「成果主義賃金」の拡大につながり断固として認められない。

 この間、「給与の総合的見直し」などたび重なる給料表の大幅引き下げ、約四百万円にも及ぶ退職手当削減の強行によって高年齢層の賃金は大幅に引き下げられた。加えて、十七年間にも及ぶ独自削減によって大幅な賃金カットが行われ、その損失は数百万円にも及んでおり、実損回復が求められる。

 部活動指導手当について、示された改定額では、四時間の指導で最低賃金をわずかに上回るに過ぎず、長時間指導すると最低賃金を割り込む額である。また、四時間以上の部活動指導にしか手当が支給されないのであれば、部活動指導の負担軽減も進まない。今後も、部活動指導手当のさらなる増額と平日の指導も支給対象にすること、四時間未満の指導でも手当の支給対象とするよう求めていく。

 我々が行った「働き方改善アンケート」には、「全体的な仕事は減らないのに、英語教科化など授業数の増加があり、超勤は解消されない」「早く帰っても家で仕事をしている」「どうしたら超勤解消ができるかを考える時間もないほど忙しい」など、超勤に苦しむ切実な声が多数寄せられた。

 過労死ラインで働く教職員が多くいる過酷な学校現場の超勤は、人として当然の生活や教職員同士のつながりを奪うだけではなく、目の前の子どもたちにふさわしい教育を組み上げる時間を奪っている。教職員の命と健康を守るため、教育を守るためにも、具体的で実効性のある取組が求められる。最終交渉で、教育長の「庁内一丸となって、取組を強力に進めていきたい」との超勤解消に向けた決意を引き出した。

 働きがいのある人間らしい仕事「ディーセント・ワーク」の実現を目指すために、今後も、全道の教職員とともに、労働条件・教育条件の改善を求めるたたかいを強めるものである。

(関係団体 2017-11-21付)

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