中学校・高校進路探究学習研究協議会 社会生き抜く力育てよう 講義・演習で指導力向上―札幌市教委(市町村 2017-11-28付)
進路探究学習において育成するべき力などについて、付せんに書き出す参加者
札幌市教委は十七日、市内ちえりあで札幌市中学校・高校進路探究学習研究協議会を開いた。市内中学校・高校の教諭および管理職合わせて四十六人が参加。外部講師の講義や演習を通して、変化する社会に対応する力を育む進路探究学習の方策などについて研鑚を積んだ。
この協議会は、生徒一人ひとりが自分らしい生き方を実現するための資質・能力の育成に向け、教員の組織的・継続的な指導力の向上によって進路探求学習の充実を図ることを目的に実施している。
はじめに、市教委の廣川雅之教育課程担当課長があいさつ。今回の研究協議会について「進路探求学習はもとより、授業における問題解決学習など、あらゆる教育の実践場面において活用してもらえる」と述べ、参加者が講義で学んだことを今後の教育活動に生かすことを期待した。また、講師の国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターの立石慎治研究員を紹介した。
続いて、立石研究員が「変化する社会を見据えて私たちにできること~アクティブ・ラーニングとの交差点」と題して講義・演習を実施。これからの社会について、人口急減・超高齢化が進み、経済規模の縮小や格差の固定化といった影響が予想されることを説明し「経験則が通用するのか分からない社会になる」と指摘した。
また、IT技術の進化によって単純作業が機械化し、若者に対しても仕事の質が高度化するほか、製品や技術が市場に投入されてから姿を消すまでの期間が短縮していることなどを紹介し「持続的に学び続けることの必要性が増している」ことを伝えた。
このほか、今後の社会展望について、中央教育審議会答申をもとに解説。社会の変化が複雑かつ予測困難になるため、子どもが自ら社会に参画できるよう、自主的・実践的に動く力などを育成する重要性を説いた。
このあと、参加者はグループワークを実施。社会の変化が続くと想定した際に、必要となる力について意見交換した。
グループワークのあと、引き続き、立石研究員が進路探究学習について講義と演習を実施。参加者は変化する社会を生きるための力を育む教育などについて理解を深めた。
(市町村 2017-11-28付)
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