札幌市中学校放送教育研究会研究大会 中央中の1年道徳を公開 思考揺さぶる授業を
(関係団体 2017-12-11付)

札中放研究大会公開授業
三浦教諭は生徒の様々な考えを取り上げ、考えを広げさせた

 札幌市中学校放送教育研究会の研究大会(一日、札幌市立中央中学校)では、札幌市立中央中学校の三浦雅美教諭が一年一組の道徳「おくれてきた客」(生徒数二七人)を指導。デジタル教材を活用し、きまりや思いやりなど生徒の考えを揺さぶる授業を展開した。

 三浦教諭は、本時の目標を「美術館の観覧に遅れてきた客のお願いに悩む警備員の心境を通して、きまりを問い直し、その意味について考える」と設定した。

 はじめに三浦教諭はデジタル教材「NHK for school」の番組「ココロ部!」の物語「おくれてきた客」を上映。物語は美術館の警備員のコジマが閉館後に訪れた母親と娘に対して、きまりがあるといって美術館に入れることを断るか悩むもの。

 美術館のきまりでは閉館後に美術館に入ることが禁じられていること、母親が病気で美術館に来ることができるのがおそらく最後ということなど、物語の内容を確認させた上で、美術館に入れるか入れないかを問いかけた。

 黒板の「入れる」「入れない」の心情直線にネームプレートを貼らせたあと、全体交流。「母親への思いやり」「えらい人の許可がない」「閉館時間」「きまり」など生徒の発表を板書し、様々な視点から意見を集め、考えを広げる材料となるよう工夫を凝らした。

 このあと、番組の後半部分を上映。警備員のコジマが母親と娘を入れなかったことにふれたほか、「きまりとは他人の権利を守る大切な約束事」という発言がどういう意味かを問いかけた。

 グループで話し合いを実施。三浦教諭は「お母さんを美術館に入れようとするのは優しさ。では、きまりを守ることは優しさではないのか」と問いかけ、生徒の考えを揺さぶった。

 全体交流では「みんなに迷惑がかかる」「平等の優しさ」などと発表を取り上げるなど、きまりを守ることで関係するたくさんの人々の暮らしを守る優しさにつながることに気づかせた。

 また、これまでの学習を踏まえて、「入れる」「入れない」のネームプレートをあらためて貼らせ、振り返りを行った。

 授業公開後は研究討議を実施。三浦教諭の授業について「入れる・入れないについて、生徒同士の議論に時間を確保したほうが、後半の授業の深まりにつながったのでは」などの意見が出た。

 札幌市教委の佐野恭敏児童生徒担当係長は「きまりの尊重と思いやりの二つの道徳的価値の間で子どもたちが互いの考えを交流する授業だった」と話していた。

(関係団体 2017-12-11付)

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