札幌市国際理解教育研究会 行動力ある子ども育成へ 中学校プロジェクト研究授業―札苗中で社会科公開
(関係団体 2017-12-08付)

国際理解教育研研究授業
宮谷教諭は、江戸時代と明治時代の比較から富国強兵について考えさせる授業を展開した

 札幌市国際理解教育研究会(石原和人会長)は十一月二十九日、札幌市立札苗中学校で中学校プロジェクト研究授業を実施した。札苗中社会科の授業を公開したほか、研究協議を実施。多様な世界にかかわり続ける行動力を身に付けた児童生徒の育成に向けて、研究を深めた。

 研究会では研究主題「多様な世界に関わり続ける、行動力を身に付けた児童生徒の育成」のもと、研究の視点に、①主体的な行動を促す教材化②自分事となる対話を引き出す教師のかかわり―の二点を据えて、研究を進めている。

◆2年「近代国家の歩みと国際社会」

 この日、宮谷光輝教諭が二年四組の社会科「第五部近代国家の歩みと国際社会 第三章新しい価値観の下で」(生徒数三三人)の授業を公開。本時の目標を「富国強兵政策による近代国家の形成と近代産業の発展に対する関心を高め、意欲的に追究して近代の特色をとらえようとする」「日本を欧米諸国に劣らない強い国にするために、どのような政策が行われたのか、新政府が行った殖産興業政策、兵制の改革を中心に資料などから読み取る」と設定した。

 宮谷教諭は、グループごとに明治時代と江戸時代の暮らしの図を配布し、明治時代のみに見られるものを探させた。全体交流では「蒸気機関車」「ポスト」「時計」など、生徒の発表を取り上げ、明治時代には多くの変化があったことに気づかせるとともに、なぜこのような変化が起こったのか疑問をもたせた。

 続いて、江戸時代から明治時代への変化について、富国強兵のスローガンのもと、様々な政策が進められてきたことを紹介。明治政府が富国強兵をどのような方法で進めたのかを問いかけた。

 研究の視点①の観点から、富国強兵をどのように取り組んでいたのかを「富国」と「強兵」に分けて教科書の記述からワークシートに記入させたほか、グループ内で交流させた。全体交流では「富国」と「強兵」に共通していることについて「力を付けて国を強くする」「外国の技術を取り入れる」など、生徒の発表を取り上げたほか、教科書の図から〝お雇い外国人〟がいることにふれるなど、富国強兵には西洋の文化・生活様式が取り入れられていることに気づかせた。

 また、研究の視点②の観点から、江戸時代と明治時代の暮らしの比較のほか、「富国」「強兵」についての取組を交流する活動を設定した。

 授業公開後は研究討議を実施。宮谷教諭の授業について「生徒のいろいろな意見をぶつけて話し合わせることで、国際理解を深めるような対話につながるのでは」などの意見が出た。

(関係団体 2017-12-08付)

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