子の行動分析し指導を　心を育てる教育フォーラム―帯広市教委等

（市町村 2017-12-12付）

６０人が参加し、問題行動を起こす児童生徒への指導の在り方を考えた

　【帯広発】帯広市教委、帯広市教育研究会、いじめ・不登校・非行等に関する対策委員会は一日、帯広市役所で心を育てる教育フォーラムを開いた。ＮＰＯ法人桜の森理事長で㈱グリーンパティオ代表取締役の田中桜子氏が「優しい街が求めているものは？～積極的行動支援（ＰＢＳ）と個別支援計画から始まるチームワークの可能性を探る」と題して講演。様々な事例を紹介しながら問題行動を起こす児童生徒の指導の在り方について説明した。

　フォーラムは、生徒指導上の今日的課題について学校関係者や保護者、関係機関とともに考えることを目的に毎年度開いているもの。今回は、市内小・中学校教職員やＰＴＡ、教育関係者など六十人が参加した。

　開会に当たり、帯広市教委の橋場仁学校指導担当部長があいさつ。フォーラムの趣旨を説明した上で「子どもたちを取り巻く様々な環境や問題行動などの要因を的確に分析して、一人ひとりのニーズに応じたより効果的なかかわり方や適切な支援の在り方を考えて実践することが大切」と強調。「このフォーラムで得た成果を広く共有し、児童生徒の確かな生きる力の育成につなげてほしい」と呼びかけた。

　続いて、帯広市教育研究会の辻敦郎会長が登壇し、「あしたからの教育活動を進める上でのヒントを得ていただきたい」と期待を寄せた。

　引き続き、田中氏が「優しい街が求めているものは？～積極的行動支援（ＰＢＳ）と個別支援計画から始まるチームワークの可能性を探る」と題して講演した。

　田中氏は、自閉症の人々に効果的な治療法「応用行動分析学（ＡＢＡ）」の取組をもとに、問題行動を起こす児童生徒の指導方法を紹介。実際にＡＢＡの手法を取り入れた授業事例を動画で示し、効果が表れている様子を伝えた。

また、問題行動がみられる児童生徒は「誰かに注目されたい」との思いから起こることを解説し、個別の指導計画を立てて一人ひとりしっかりと指導していく大切さを強調した。

　参加者からは「行動分析について大変参考になった。普段の育児にも取り入れたい」「子どもの問題行動は周囲の人の環境が影響していることが分かった。今後、子どもたちの行動を視察し、目標設定を考えながら支援していきたい」などの感想が寄せられた。

(市町村 2017-12-12付)